2007-08-31

人生のお荷物 Luggage of life

戦前日本の名作映画で、日本で最初のトーキー(発声)映画『マダムと女房』と同じく五所平之助監督の『人生のお荷物』を観る。

『マダムと女房』は音へのこだわりの映画で、近所の雑音に悩まされるとある小説家のお話。

雑音のせいで執筆に集中できないでいる作家先生にかまってくれないとわざと騒音を立てる女房殿。更には隣からジャズのレコードが鳴り響き、怒鳴り込みに行くとそこの洋風マダムの誘惑が待ちかまえ。スラップスティック・コメディながら周囲にかき乱される作家先生の心うちが面白い。

『人生のお荷物』は三姉妹に末の男の子を抱えるサラリーマン家庭、夫は初老を迎え、遅くに作った男の子を「失敗作」と嘆く。奥さんがそんな事を云うものではないといっても夫はガンとして聞き入れず、末っ子の悪口を言い並べ、終いにはかばう奥さんをも三行半で離縁してしまう。

気ままな一人暮らしになった夫は末っ子と同じ年頃の子供が飲み屋で花を売っているのを見て、末っ子の事を改めて考えてみる。

宮本武蔵ならずとも、日本の道徳観念は「人のふり見て我がふり直せ」の謙虚さが主流であったはずなのに、読売新聞の世論調査で「マナー悪化、道徳教育強化に92%賛成」との結果が出たとか。

「人が悪い」の大合唱は「自分さえよければ」になってはしないか。

先日の鳩山邦夫法相が死刑制度について「凶悪犯罪の未然防止に果たす役割は大きい。死刑を科すと裁判所が判断すれば、わたしは重んじる」と語った語り口には死刑執行しなきゃならない社会は治安悪化の証という自覚のなさが感じられたけど、現代人は『人生のお荷物』を忘れているのだろう。

更なる少子高齢社会となる今後、増加しつつある爺婆の押しのけ合いが激化するのではないだろうか?

  • OhmyNews : 「人のふり見て我がふり直せ」を忘れた日本人

2007-08-30

浪人街 Rônin-gai

昨日は残暑日の中、定期薬を貰いに病院へ行き、その帰り、札幌市内縦断のビデオ屋巡り。

昨日の収穫は日本映画の父、牧野省三の子供で、父の借金を返すためにギネスに載るほど映画を撮ったマキノ雅弘(本名 : 牧野正唯、改名歴8回に及ぶ)の代表作『浪人街』のリメイク版と同じくマキノ雅弘が国賊映画と称された長谷川一夫の女形映画を撮った後に戦争協力として作られた戦時中の映画『野戦軍楽隊』と『不沈艦撃沈』。

わいわいやるのが大好きで、「おもろうないとあかんでえ」のマキノ雅弘がどのようなお国のための国策映画を撮ったかも気にはなるけれど、ここでは日本映画の青春期、マキノ雅弘と同じく映画と寝た男、山上伊太郎の代名詞とまで云われる『浪人街』のご紹介します。

強い奴、弱い奴、面白い奴、馬鹿な奴、色んな奴が 集まって

そんな文句から始まるこの映画、オリジナルが作られた当時は関東大震災によって東京の撮影所が破壊され、京都の撮影所が活気を帯びていた頃、「一スジ・二ヌケ・三ドウサ」(一に話の筋立て、二に撮影、現像の技術、三に俳優の動き)をモットーに映画を撮っていた牧野省三の元、映画に夢を投じた若者たちも自ずと集まり、作られたという作品。

浪人街の白壁に、いろはにほへと と書きました

この名文句で終わる『浪人街』はその後、映画の青春の象徴として、語り継がれ、数年前にも舞台化されたからご存じの方も多いはず。

「裏切ったんじゃねぇ、表返ったんだ」の名文句などもここから生まれた。

原作を書いた山上伊太郎はあのバカな戦争で陸軍軍属となり、フィリピンに赴任、ルソン島北部のキャンガン部落付近で行方不明となり、遺髪すら入っていない骨箱が、戦死公報と共に届けられた。

勧善懲悪の枠をはみ出した群衆劇のオリジナル『浪人街』も戦火で観る事も叶わず、山上伊太郎のこの世に残された物はその遺稿集のみ。

まさに『浪人街』を地でいく生き様は山上伊太郎らしくもあり、だからこそ、後々語り継がれもしたのだろう。

この暑い最中、昨年のアメリカの猛暑の原因が温室効果ガスだったとの分析が発表されたとのニュースが今頃、流れる。

バカは死ななきゃ、判らない
踊るアホウに観るアホウ、同じアホウなら踊らにゃ損ゝ。
後の祭りにならぬよう

映画化された現存する『浪人街』も11月にやっとDVD化されるようだけど、それまでこの世はあるのかな?と観ちゃった幸福にシニカルな笑みが出てくる。

この世は仮の宿なり。明日の夢は明日見ればよいのじゃないかと、大震災を経験した先人たちの教えを思いもする。

色は匂えど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて 浅き夢見し 酔ひもせず
(いろは歌)

2007-08-29

矛盾 Contradiction

死刑制度について「凶悪犯罪の未然防止に果たす役割は大きい。」って、鳩山邦夫法相のおっさん、死刑執行しなきゃならない社会は治安悪化の証という事を忘れちゃいませんか?

社会のために仕事せんかい!

わて、ホンマによう云わんわ。

買物ヴギ 放送禁止のフルコーラス、始めて聴いた!

YouTube - 買物ヴギ 笠置シヅ子

2007-08-28

有りがたうさん Mr. Thank You

YouTube - 桑野通子5 「有りがたうさん」

世界恐慌から始まった不景気から抜けきれずにいた昭和初期、映画はトーキーの時代に移る過渡期に、田中絹代と試験結婚していたという清水宏監督の手になるオールロケーションのロードムービー『有りがたうさん』が作られた。

男は職無しのルンペン、女は家のために身売りしなければならない時代、伊豆の修善寺あたりを走る田舎のバスの運転手は街道を通りすぎる人たちに「ありがとう」と声をかけるので「有りがたうさん」と親しまれている。

恋人と無理やり引き離され、街道をうろつく男もいれば、過酷な土木作業に借り出された死んだ朝鮮人の娘は父親の墓の世話を頼んでいなくなる。そんな人たちを毎日お客として乗せ、ただ見ているしか術のない運転手は「いっそ霊柩車の運転手にでもなりたいくらいだ」とぼやきが出る。

川端康成の「掌の小説」に収録されているたった4ページの短篇「有難う」を素材としたこの映画はのどかな田舎の美しい風景の中、過酷な時代の流れを映し出す。

ウィットに富んだ語り口で繰り広げられる清水宏の演出は重いテーマを軽やかに描きあげ、公開当時の野心作と云われた作品は今や小林信彦著「2001年映画の旅」にて「20世紀の邦画100」として紹介され、東京などでは回顧上映が繰り返されているという。

その恩恵も受けられず、DVD復刻もされていない現状、札幌市内の老舗レンタルビデオ屋を探し回り、やっとこの清水宏監督作品に巡り会えた。

戦火で残ったフィルムの保存状態も悪いと云われる日本映画は、デジタル復刻でも欧米に比べ、手間暇掛ける「丁寧さが欠ける」と極評されており、この映画もそのうち「幻の名作」になるのではとも云われている。

観られた事にまずは「有りがたうさん」と伝えたい。

2007-08-27

月末「どさくさ内閣」 The end of the month"Diverting Cabinet"

月末は何かと忙しい。

給与日に、支払いラッシュ。

お金が右から左に通り過ぎるのに、銀行はこの時期いつも行列の出来る店。

こんな非生産的な光景が経済大国の現実。

その上、月末の締め日が週末と重なる今月はどの銀行が一番行列の出来る店か競い合える時。

お金ほど非合理な物はない。

そんな折りに「政治的空白」を埋める組閣がやっと発足になる。

これはおそらく「どさくさ内閣」であるのだろう。

  • OhmyNews : 月末「どさくさ内閣」

2007-08-26

もし、あなたなら 6つの視線 IF YOU WERE ME

人権とはなんなのかを描いた映画として韓国の『もし、あなたなら 6つの視線』がなるほどねと思えた。

  • 彼女の重さ The 'Weight' of Her
    体型は就職で問題になるか?
  • その男、事情あり The man with an Affair
    しつけで近所周りを言いつけられた子が性犯罪者の家へ
  • 大陸横断 Crossing
    脳性麻痺を抱える男に対する手厚い「保護」
  • 神秘的な英語の国 Tongue Tie
    英会話の発表会でうまく喋れない我が子の舌の切開手術
  • 顔の価値 Face Value
    接客態度のなっていない女子社員にお客の過度なる説教
  • 平和と愛は終わらない Never Ending Peace And Love
    韓国人に間違えられるネパール人。言葉が通じないから精神病院?

社会という相対価値を重んじると個人の絶対価値は軽んじられる。

ヒューマン・ライツは「バリア・フリー(邪魔しないで)」

相対価値の権化、ナショナリズムと対局なす人権はいかに自然でいられるか。

加速する生産社会の中、ブレーキの役割を果たすもので、従来の「現場と事務方」「売り手と買い手」で議論されていた生産の合理性とは異なるもの。

そこを理解しなきゃ、人権侵害のための人権侵害となり、環境破壊にもなりうる。

エコライフ実現なるかが人権問題。

2007-08-25

死ぬまで生きれ! It is possible to live until dying.

「厚労省調査の05年ジニ係数で、世帯の所得格差、過去最大に」との世界に誇れる記録も政治不在で、GHQならぬIMFのとりたての輝きが厳しくなると豊かさでコミニケーションの大切さを忘れた分、アフリカ諸国より過酷な社会が待ち受けているのかも。

謎の大量死でいなくなったのではと心配していたスズメもこの頃、家の周りに飛び交うようになり、その鳴き声に叩き起こされた朝。

生き物が集う場所、まだまだ安全なのだろうと「死ぬまで生きれ!」と渇入れられた気分となり悪態なぞつきたくなる。

2007-08-24

見切り発車 Starting a train before all passengers are on board

お馬さん商売の見切り発車。
感染拡大でロング・グッドバイにならなきゃいいけど。

とかく現代人はせっかちだ。
損して得取れのゆとりがない。

背中を突くのは誰だろう?

死刑執行人もまた死す。

これが日本の滅びの美学なのだろうか?

2007-08-23

ハリーとトント Harry And Tonto

YouTube - Harry and Tonto trailer

この頃、話題にもされなくなった高齢化。

孤独老人を描いた名作『ハリーとトント』のビデオを借りてきて、観たりしている。

最近の映画会社の社員は売れ筋ばかり意識していて、良い映画を広める努力をしないと云われてたりするけど、アカデミー賞受賞作の『ハリーとトント』くらい、DVDで出してもいいと思うのだけど。

未DVDの名作映画をチェックしていると意外な事実が見えてくる。

ストーカー賞賛映画になりそうな『フォロー・ミー』はアメリカでもビデオ化もされていないようだし、一世風靡した女子プロレスの名画『カリフォルニア・ドールス』もレンタルビデオでもなかなか巡り会えない。

『ハリーとトント』の監督ポール・マザースキーの『グリニッジ・ビレッジの青春』なんかもまた観たいけど。

『ハリーとトント』のようにロード・ムービーならぬさすらいビデオ捜しで、失われた時を取り戻せるかも知れない。

2007-08-22

活弁映画 Talked movie

亡くなられた松田春翠さんを偲んで、淀川長治さんが監修された小津安二郎映画の活弁トーキー

レンタルショップにそのテープが並んであったので、借りてきて観ました。

『大学は出たけれど』『生れてはみたけれど』のシニカルコメディは松田春翠さんの語り口もうまいけど、『浮草物語』のようなシビアな話になると語り口が重くなってしまってますね。

ざっと小津安二郎映画の内容を紹介すると

『大学は出たけれど』は金融恐慌で就職難のご時世、大学卒の主人公が面接で「受付」の仕事を命じられ、そんなの嫌だとニートになってしまうお話。最後の説教訓が小津さんらしい。

『生れてはみたけれど』は副題に『大人の観る絵本』という添え書きがあるコメディで、近所のガキ大将兄弟がある日、家来のお父さんに自分のお父さんがご機嫌取っている姿を見てしまい、ハンガーストライキを起こす。大人になると腕力だけではない上下関係があるという悲哀を描いたもの。

『浮草物語』は ドサ廻り芝居の座長が、昔、子供を産ませた女のいる町へ巡業に行き、その息子とのかかわりなどを描いた映画。重く湿った話を小津のアメリカナイズされた粋なセリフで話を進ませている。

昭和初期の人たちの生き様や考え方を観られる貴重なフィルムに当時音無しのサイレントにつけられたという活動弁士の再現に尽力尽くした松田春翠さんの在りし日の録音テープを被せたこの映像はめまぐるしく変わるメディア世界でDVD化もされずにいる。

お弟子さん達の活動は今も活発のようだけど、粋でイナセな、短気だけれどもせせこましくないそんな日本人気質を記録した文化資材がハイテク技術で気軽に観られ、後世まで語り継がれる事を願ってやまない。

ちなみに今年の猛暑のような状況が70十数年ぶりといわれるのだから、昭和初期にもあったはずで、人のしぐさからどのような暑さ対策がなされていたのかも興味深くもあるのですが。

  • OhmyNews : 活弁映画に猛暑の70数年前を観る

2007-08-21

映画『シッコ』を観る前に Before seeing the movie 'SICKO'

国民健康保険がない国アメリカの、死ぬか生きるかの医療事情を描いた映画『シッコ』。大変気になり、期待もしているのですが、その背景には国民健康保険がある国日本の現状があまりにおざなりにされているようで、他国の庭を観てみたいのかなと思ったりもしているところ。

というのも、個人事業者として青色申告をしている都合、所得が安定していない身の上で、一昨年は所得が少なかった分、昨年の国民健康保険料の納付額は少なかったのだけど、今年は年間、月間ともに桁が一桁多い納付通知にビックリしているからである。

区役所に問い合わせると、昨年の所得が一定額を超えているためという事で、同時に昨年から変わった保険料の計算方法が変わった事も影響していると教えてくれた。

納付通知書に同封されているチラシによると、それまでの「住民税額」を基にした所得割額を計算する方法から、世帯に属する加入者それぞれの「所得から33万円を引いた金額」の合計額に所得割の料率をかけ、所得割額を求めるように変わった旨が書かれてあった。

さらに、「どうして変えたのか?」として、以下の文章が記されてあった。

住民税方式の下では、所得割の対象となる住民税課税世帯(国保加入世帯の4割強)で、保険料全体の8割を負担するという状況(特定の世帯への負担の偏り)が生じており、また、税制改正により住民税が増減すると保険料も変動するという課題がありました。(特に、年金世帯については、税制改正によって住民税が上がることが見込まれ、住民税方式を続けた場合には影響が大きくなるものと考えられます。)このため、保険料の計算方法を所得比例方式に変更し、これらの課題の改善を図りました。

これって、改善なんでしょうかね?

住民税課税世帯が国保加入世帯の4割強というのも異常だけれど、その状態を黙認していたという事でもあるだろうし、税制改正と連動する国民健康保険料はまずいから変えたとも読める。

そして、住民税課税世帯にもなれない低所得家庭から頭数から算出し、国民健康保険料を納付通知したところで、ない袖は振れない未払い世帯が出るのを判りつつ、「改正」したとしか思えない。

うちの場合、年老いた母との二人暮らしなので、所得で単純に計算されると、母の年金から33万円を引いた金額も計算の中に含まれているのかも知れない。

幸い、うちは今年、支払えるくらいの所得が見込めそうなのでいいのだけれど、国民健康保険料を納付できなく、病院にもかかれない家庭も出てくるだろう事は容易に想像できないだろうか?

このような安易な「改正」を続ける国民健康保険がある国日本は、国民健康保険がない国アメリカに見習おうとしていると思った方が、この頃おかしい医療事情の裏側も見えてくるのじゃないだろうか?

その意味でも映画『シッコ』からいろいろ情報を得たいと思ってもいる。

2007-08-20

米国発ダーウィンの悪夢 Darwin's Nightmare from U.S.A.

「責任追及より国際協調を=安全性問題で反論-在米中国大使館」などのニュースを読むと急成長の中国のドタバタは高度成長期の日本を見ているようで、日本なんか経験を踏まえたアドバイスが出来そうに思うのだけど。

グローバル推進のはずのアメリカを襲う中国産コイの異常繁殖の話はアメリカ発ダーウィンの悪夢のようでいやはや。

侵略専門の国が他の国でやった事が自分の国で起こっている。これは「悪夢」以外の何物でもない。

TBS News : 米中西部の川で中国産コイが異常繁殖

ハリケーン「ディーン」ともども先行きが案じられるが、米国の低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付きに端を発した世界同時株安など聴くと、74年ぶりといわれる猛暑と同じく、世界恐慌の悪夢がよぎる。

あの恐慌から不況打開のための第二次世界大戦が始まったなんて話もありましたね。

2007-08-19

夕凪の街 桜の国 Town of Evening Calm, Country of Cherry Blossoms

昨日、時間が出来たので、映画『夕凪の街 桜の国』を観てきた。

被爆者家族を描いたこの映画、期待ほどではなかったけど、ネットで検索するとこうの史代の原作マンガ『夕凪の街 桜の国』と被爆作家の大田洋子の逸話が面白い。

銃後の国策文学として大陸から見た日本を記した『桜の国』を書いた大田洋子が被爆して、原爆ルポルタージュ『夕凪の街と人』を書いたという下地が『夕凪の街 桜の国』にはあるらしい。

被爆者、平野皆実を描いた前半『夕凪の街』は参考文献として、大田洋子の『夕凪の街と人』『屍の街』をあげているけれども、後半の『桜の国』は平野皆実の姪である石川七波の封印した幼き日の被爆者家族を思い出す物語は大田洋子の『桜の国』を参考にはしていないと云う原作者、こうの史代の証言とは裏腹に、大田洋子へのオマージュのように感じられてならない。

戦争に荷担したがゆえに原爆告発の激しい怒りが吹き出したのであろう大田洋子の想いをこうの史代は時間が経ち、二重に過去を振り返る『桜の国』を描く事で、無数の庶民の命を奪った戦争を甦らせ、今の平和を噛みしめさせる構成にさせたのだろう。

「嬉しい?/原爆を落とした人はわたしを見て/『やった!またひとり殺した』ってちゃんと思うてくれとる?」

平野皆実の恨みの遺言はテロ防備のために核武装を説く昨今の風潮に向けられたのだろうし、大田洋子の荷担したがゆえの怒りが『夕凪の街 桜の国』の根本にはあるのだろう。

戦争はお手伝いも後始末も皆庶民に負わされる。

その事を肝に銘じて。

2007-08-18

寒いなぁ cold it

お盆の酷暑がウソのように肌寒い北海道の朝。
この寒暖の差の激しさも「温暖化」なんだろうか?

この世は判らない事がまだまだ多い。
先人の知恵に頼った方が利口なのだろう。

まずは体調管理が大切かな。

2007-08-17

長引かなきゃいいけどなぁ want not prolonging.

「中央競馬の全レース、馬インフルエンザで一転中止に」とのニュース。

この猛暑で、馬もあごを出したとか。

35年前は3ヶ月ものレース中止だったとかで、長引かなきゃいいけどなぁ。

ワクチン接種への過信からの判断ミスも事前の調査ですぐに中止決定に動いたのは評価できるけど。

まずは秋のJPN1レース前が救いなのかな?

2007-08-16

夏一服 takes a rest in summer.

お盆も15日を過ぎ、札幌も35度近くが続いた日々も暑さ一服。

今年のお盆は友人の葬式もあり、慌ただしく過ごし、今日の涼しさは昼寝を誘う。

夏の太平洋高気圧と秋のチベット高気圧が合体した猛暑高気圧もようやく勢力を弱め、北朝鮮に豪雨をもたらせた気圧前線の南下とともに北日本も過ごしやすくなるらしい。

けれど、沖縄に控えし、台風がこの気圧前線に沿って上がって来ないかが、少し心配。

盂蘭盆供養で先人の苦労を学び、恵みの秋を迎えたいもの。

残暑お見舞い、申し上げます。

2007-08-15

あじのふるさと Pompano's birthplace

あじのこが あじのふるさと たちいでて
またたちかえる あじのふるさと

昨夜、娑婆の最期を過ごした友人は今朝、荼毘に付された。

別れを惜しむ友人達は亡き友と最期に宴会で顔を合わせた時に、お茶を飲みにも行かずに、宴会の後、お開きにした事を悔やみ、昨夜の通夜の後も今朝の告別式の後も二次会、三次会と懐かしい顔ぶれとの再会の時を愛おしんだ。

いつになってもしっかり者の女たちと云われるままにその手のひらで遊ぶ男たち。

昨夜の二次会では「飲み放題で飲めない人も一律は割に合わない」とのご意見に沿い、それぞれ個別に注文で宴会を進めた結果、飲み放題なら2,000円取られるところが、食べ物込みで割り勘1,500円、やはり母は賢かった!

サークルという手のひらで遊んだ故人の思い出話も尽きぬまま、今日も昔のように店を変えての雑談義。

土門拳に惹かれ、仏像巡りをし始めたという故人もまだ50代半ば。

故人が果たせなかったこの世の夢をそれぞれ満喫して、あじのふるさとに旅立った故人の手向けにしてみたいのか。

団塊世代の見果てぬ夢は続いていく。

「自分を許すとキリがない。」

故人が語った説教をかみしめて。

  • OhmyNews : 亡くなった友人の告別式の後に

2007-08-14

連絡網 Communication network

昨日の友達の訃報を知らせてくれた連絡網にはつくづく感心した。

映画サークルと直接的な付き合いがなくなって20年ほどで、同年代も同じ頃にそれぞれ忙しくなり、サークルから疎遠になっていたので、なおのこと。

仲良かった人たちとは年賀状のみのやりとりは欠かさずに続けていたけれど、もう何年も集まり飲む機会もなかった。

昨日、電話くれた方達はひとりは連絡経路を教えてくれて、ひとりは一足先に故人宅に弔いに伺い、聴いてきた亡くなった時の様子を教えてくれた。後、ひとりは気が動転したのか、葬儀会場の住所や亡くなった時の様子も又聞きのせいもあり、かなり違っていたけれど、訃報をみんなに知らせようと知っている限りの電話番号を回したようである。

インターネットが出来て、簡単にメールで連絡取り合う簡易さになれてしまっている今、ご無沙汰の人たちと訃報を介して、近況を教え合うそんなふれあいに心和んだりもする。

ある友達の旦那は過労で救急車に運ばれたそうだし、亡くなられた方も朝、起きがけにソファに横になったきり、冷たくなっていたという。

連日の蒸し暑さが極暑に変わった今年のお盆。

酒も飲めないのに、飲み会が好きな故人が人を集わせたのかも知れない。

通夜は明日の夜と聴く。

  • OhmyNews : 猛暑のお盆「くも膜下出血」で友人が急死

2007-08-13

訃報 News of one's death

学生時代、札幌映画サークルという自主上映の活動に参加していた事がある。

そこで一緒に活動し、家が近所で懇意にしてくれた方の訃報を聴いた。

数週間前、自宅に遊びにうかがい、ひと言二言交わした会話がまさか最期になるなんて。とても信じられないでいる。

思い返せば、この方から様々なものの見方を教わったような気もするし、いろんな本を読んでいる方でもあった。

くも膜下出血による急死という事で、改めて「命」を考えさせられる。

今を悔いなく生きるとともに、体調で気に掛かる箇所の検診をやはりした方がいいんだろうなぁと我が身を振り返ってみたりもする。

  • OhmyNews : 猛暑のお盆「くも膜下出血」で友人が急死

2007-08-12

命日 Anniversary of one's death

今日は実母の命日。

土日が仕事で身動きできないので、早めに墓参りに行こうかとも思ったけれど、結局、仕事後に命日の墓参りになりそう。

墓参りは命日を過ぎて、故人を待たせてはいけないらしく、気持ち的にも今日中にはすませたい。

母が亡くなったのもやはり日曜日。

今の僕よりひとつ若い47歳で亡くなった。

僕が15の時で、あれから33年。

育ててくれた養母との暮らしの方が実母と暮らした月日の倍以上になった。

最期は癌との闘いで苦しみながらも生きようとした母。

亡くなった母のように死ぬまで生きていたい。

墓参りで死んだ母に殴られないように。

2007-08-11

敗戦時の貧困対策 Poverty program at defeat

このところ、敗戦時の日本映画を数多く観ているのですが、「貧困」がもたらす影響を敗戦時に探ると面白いかも知れないと思ったりする。

敗戦時、食糧難の他、財閥解体などにより、国民総貧困状況を作り出したため、「貧困」が真の社会問題になり得た時代に「貧困」から派生する様々な社会問題があふれた時代。

栄養不良による疫病の流行、生活苦から来る治安の悪化。戦争孤児など浮浪児問題。

その状況下に置ける国家は何をすべきかを規定した憲法の制定という流れを読めば、今、論議されている改憲論のあり方が見えてくるかも知れません。

少子高齢による単一民族だけでは労働人口か確保できなくなる問題。
医療、福祉改革にともなう衛生面からの生活危機の問題。
高齢化による限界集落が増えており、死滅する村落が増えてくる国土保全の問題。

今の豊かさが見えにくくなっているこれらの諸問題を見据える事は、国防第一に突き進んだ戦前日本の過ちの二の舞にならない思案なのじゃないだろうか。

62年前に日本人が経験した敗戦時の貧困対策から学ぶべき事は数多くあると思う。

  • OhmyNews : 敗戦時の貧困対策

2007-08-10

げんしばくだん Atomic bomb

げんしばくだんがおちると
ひるがよるになって
人はおばけになる

坂本はつみ「げんしばくだん」
原子雲の下より

いろんなところで、原爆の話を読み聴くと「核の怖さ」を知らない人が一杯いる。

今の核技術はヒロシマナガサキの原爆の数千倍の殺傷能力がある事。

原爆は平和利用といわれている原発で使われる核分裂と同じ仕組みである事。

ヒロシマナガサキの原爆投下の目標は軍事施設の破壊であった事。

チェルノブイリに代表される原発事故の最悪自体と想定される「チャイナシンドローム」は臨界に達した核分裂が地表を突き抜け、地球の裏側まで破壊されるという事。

外交手段の切り札として使うには危険すぎる切り札。

地球丸ごと破壊し尽くすか、地底のマグマを刺激するか、地表に放射能の熱風が広がるか。

それを承知で核開発続ける為政者達こそ
金の無心をする化け物。

ひるがよるになって
人はおばけになる

2007-08-09

後ろから前から Ahead from the back

ここんところ、裏の銀行では外壁の改装工事、前の道路ではガス管工事で、朝から晩までドタンバタン。

このところの蒸し暑さも手伝って、ストレスもピーク状態。

団塊の世代目当てのオムニバス映画『歌謡曲だよ、人生は』でも観に行こうかな。

つまんなかったら、またストレスだけど。

2007-08-08

ドキュメンタリー・ブーム Documentary boom

昨日、『ヒロシマナガサキ』を見に行った時に映画館ロビーの棚に並べられていたチラシで気になるものを何枚か貰い、今日、ゆっくりとそのチラシ群を見てみると、ドキュメンタリーばっかり。

映画はそれぞれ現実を肉薄していると思うけど、オフィシャルサイトはみんなフラッシュオープニング。

ドキュメントがドラマより面白いやばい時代、フラッシュの子供騙しを喜ぶ人はドキュメント映画オフィシャルなんて見ないと思うけど。。。

2007-08-07

白い光/黒い雨 White Light/Black Rain

日本の若者たちに「1945年8月6日に何が起こったか?」と問いかけ、「わからない」「知らない」と答える場面から始まる映画『ヒロシマナガサキ』は、在米日系三世のドキュメント作家、スティーヴン・オカザキ監督が、25年の歳月のこだわりをまとめ上げた作品。

「戦争を早期に終わらせ、日米両国民の命を救った」と原爆投下を認識するアメリカ世論の中、被爆50年の1995年、米スミソニアン協会で開催される予定だった原爆展も米国内の猛反発で中止となり、展示予定だったオカザキ監督の映画も急遽中止になったという。

映画はナレーションを挟まずに歴史の出来事順に、当時のニュースフィルムや被爆者の調査記録として残されたフィルム、それに14人の被爆者と原爆投下に関与した4人のアメリカ人の証言で物語られる。

歴史的経緯の後、原爆投下の日、4人のアメリカ人はその爆弾の威力を聴かされることなく、「戦争を早期に終わらせる事が出来る」任務につき、爆弾投下の数十秒後、大きな火柱を目前に黙祷する。

投下された爆弾は白い光を放ち、5,000度とも云われる熱波が広島・長崎を襲い、熱風となり、家々を焼き尽くした。生き延びた者たちは水を求め、小さな防火水そうに群がり、あぶれた者は川へ飛びこんだ。油まじりの黒い雨がその上に降り注がれる。

被爆者たちの証言は敗戦後、GHQがモルモットのように被爆者たちを集め、治療もせずに調査した話、やがてその中から喀血する症状が出始め、被爆者は伝染するとデマが流れた話が続く。

「身体の傷と心の傷。両方の傷を背負いながら生きている苦しみは、私たちで十分です。」

戦争を始めた日本からも戦争を終わらせたアメリカからも人間扱いされなかった被爆者たち。

「原爆乙女」としてアメリカでの無償の治療に旅立った娘たちもワイドショーに引っ張り出され、悲劇のヒロインを演じさせられる。

それでも「原爆乙女」だった証言者の彼女は救ってくれた国アメリカに移り住む。

原爆投下を後悔しないと言い切る4人のアメリカ人たちはそれぞれこう語る。

「核戦争の危機をとても現実的なものと考えている」
「我々はパンドラの箱を開けたのさ」
「核兵器が欲しいと思う国が持つ事になるのは間違いない」
「イラクに原爆落としゃいいんだいうバカな奴が必ずいる。核兵器が何なのかまるで判っちゃいない。判っていたら言えない事だ」

この映画は今年8月6日に全米にむけてテレビ放映されたという。

広島市原爆死没者慰霊式・平和祈念式の安倍内閣総理大臣挨拶とともに、全米国民が核の恐怖に気がついてくれる事を願って止まない。

広島市原爆死没者慰霊式・平和祈念式の安倍内閣総理大臣挨拶より

私は、犠牲者の御霊と広島市民の皆様の前で、広島、長崎の悲劇を再び繰り返してはならないとの決意をより一層強固なものとしました。今後とも、憲法の規定を遵守し、国際平和を誠実に希求し、非核三原則を堅持していくことを改めてお誓い申し上げます。

また、国連総会への核軍縮決議案の提出などを通じて、国際社会の先頭に立ち、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

2007-08-06

解決 Solution

無認可幼稚園の道路向かいにリゾートホテルと称したラブホテルが建設予定という話。
[卑猥なオトナたち Obscene Adult]

ホテル側が建築断念で解決したようです。

オーマイニュースでの僕の記事にも倫理問題と云うより、営業問題でしょうねという書き込みもありました。

2007-08-05

魂萌え! Soul bud

レンタルDVDでも出ている映画『魂萌え』

劇場封切りの時に見たのだけれど、女性専用のカプセルホテルが熟年主婦の逃避場所として描かれ、奇妙なお婆ちゃんが身の上話の聞き役のアルバイトをしているという場面があり、カプセルホテルが社会の縮図として描かれていて、面白かった。

制作の時に原作者の桐野夏生さんが男の映画を数多く手がけている阪本順治監督に「女の視点」を大切にするようにと云われたそうだけれど、長年連れ添った夫が急死し、自分が知らなかった夫の私生活があった事に憤慨し、私の人生は何だったのと、50代の自分捜しをする主人公が目にする物はオブラートにかかっていてきれいに見えていた現実社会。

綺麗に見えていたオブラートが薄汚れていて、オブラートにかかっていた醜い物がた磨かれなかったダイヤだったりして、偏見に満ちていた人生のレールの軌道修正をし、自分らしく生きようとする主人公。

なりを潜めていた熟年離婚が年金制度改革とともにまた活発化したというこの頃、こんな自分捜しも活発化しているのかも知れない。

自殺への誤解5割という内閣世論調査が発表もされたようだけど、統計学で「人の生き方」なんて判るわけがない。押しのけあって、席取りゲームした虚しさ。

幼い頃から今まで立ち会った死んだ者へのレクイエム。

電車に飛びこんだあの人。ビルから飛び降りたあの人。ガソリン被ったあの人。首を括ったあの人。殺されたあの人。

今、自分が生きている理由。

  • OhmyNews : 今、自分が生きている理由。

2007-08-04

怖い物知らず Scary ignorance

原発技術委の座長じゃないけど、「怖い物知らず」の日本人は確かに増えました。

「怖い物」とは何か。それは「自分」

「自分」の気持ちを制御する事を忘れるから、好きなだけ食べ、好きなだけ放言を吐く。

「地獄」はこの世でのその人の行いのおさらいの場だから「地獄」

「地震は歴史的な実験」というならば、「地震」を「原発」の横で再体験させられる。

「貴方の一番大切な思い出を1つだけ選んでください。」

そう問いかける是枝監督ワンダフルライフ』は精神的地獄。

人間、振り返れるのは過去だけであり、やり直す事の出来ない「同行二人」。

  • OhmyNews : 怖い物知らず

2007-08-03

21世紀のヒッピーたち Hippies of the 21st century

その1

昼の地下鉄。
スポーツ系の男子大学生。
乗り込み、座席に着くと、布でくるまれた物をカバンからおもむろに取り出し、膝の上へ。 布を広げるとそこには今も昔も変わらぬお弁当箱。
「まさか、食べるのか?」と向かいの席から眺める僕。
予感はあたり、周りを気にすることなく、焼き肉を食った。

その2

いつも仮眠で利用するカプセルホテルの風呂場。
目覚めたばかりの寝ぼけ顔で入ってきたお兄ちゃんの胸にはしっかり名前が刺青されているではないか。
その身体、誰かに捧げたのか、認知症に備えて、自分の名前を刻んだのか。

21世紀もヒッピーたちを眺めるのは面白い。

2007-08-02

必勝歌 Victory song

敗戦間近に作られ、戦後、映画人の戦争責任を問うのに格好の題材となったオムニバス映画『必勝歌』を観た。

情報局が国民歌の宣伝のため製作公開された作品とかで、溝口健二清水宏田坂具隆マキノ正博など当時の日本映画界の巨匠たちが勢揃いで、作られた国策映画。

そして、「国のために死ぬ」美徳を説く俳優人たちは戦後トップスターとして銀幕を華やかせた面々。

当時の勇ましい出征や戦闘場面のニュースをはさみ、映画は銃後の庶民たちの暮らしを描く。

雪で立ち往生した汽車を動かすために村人みんなで除雪する光景。

隣組の組長が道端に作られた防空壕のフタが丈夫に作られているかチェックし飛び乗るとあっけなく壊れてしまった話。

出征の見送りの帰り、一杯引っかけたのであろう酔って電車に乗る二人組に席を譲ってあげる男の話。

召集令状がきた青年との結婚を決意した娘が、戦傷者になっても添い遂げると語り、誉め讃えられる話、

赤十字船を攻撃する敵機に怒り、復讐を誓う一家団欒。

激しい空襲に逃げまどう赤子を抱えた母親に被さる「被害は最小」のラジオニュース。

大人たちも激しい空襲の中、国のために頑張っているのだからと「御山の杉の子」を遊戯する疎開した子供達。

特攻隊で命を落とした遺族と、軍人との宴会で、「1機あまさず敵艦にぶち当たることです」と述べる軍隊長に「国のために死ね。靖国で逢おう」と歌い出す遺族たち。

戦時中、庶民に戦争責任はなかったかを問うた伊丹十三のお父さんで、映画作家だった伊丹万作著作「戦争責任者の問題」

日本の戦争は愛国心という共産思想がアジアを救う「八紘一宇」となり、突き進んだものであり、満州での日本軍の功績を追い続けた「満映」に自ら進んで入社した内田吐夢は「(自作を評し)個人が国家や家庭の中で、誠実に生きようとする意志であろう。(略)したがって家族制度の上部構造である国家がその一員としての誠実さを、国策に収斂してしまうのは、自然な成り行きだろう」と語っている。

ファシズムのような仮想の敵ユダヤ人排斥から起こったものと日本の戦争の本質は根本的に違っている。

共同体に対する過度の期待が、「死ぬ愛国心」を作り上げたという。それは戦後、高度経済成長の号令で企業戦士となり、「エコノミック・アニマル、通勤電車は奴隷船」と外国マスコミから冷やかされても、変わる事はなかった。

人は我が身を守るため、物を避ける。

けれども、戦時下、庶民たちは「捕虜になるのは生き恥」として、出征する我が子に「勝って帰ってこい。そうでなければ国のために死ね」と云い、送り出した。

我が身を守るため、物を避ける事が許されなかった日本兵たち。

集団的狂気が必勝歌を歌わせたのだろう。

半年後の夏、昭和天皇が「耐えがたきを耐え」と宣うかどうか争われた「日本の一番長い日」ですら、「総玉砕」という死霊に取り憑かれた「愛国者」がいた。

映画『必勝歌』は特攻隊の出撃で幕を閉じ、戦後、この映画を撮った映画人の懺悔が始まった。

パブリックドメインの範疇でもあり、映画をネット公開して貰いたいもの。

  • OhmyNews : 【映画】映画人の戦争責任問う『必勝歌』

2007-08-01

没年月日(命日)データベース Age at death time (anniversary of one's death) data base

「神の不在」イングマール・ベルイマン
「愛の不毛」ミケランジェロ・アントニオーニ

レンタルビデオで映画史をずっと辿ったりしているのだけど、苦手とする20世紀の映画の巨匠たちお二方の訃報が届き、ひとつ追悼文でも書こうかといろいろ調べているとこんなサイトを見つけた。

没年月日(命日)データベース

生誕日が判れば、著名人たちの平均寿命が判るのに。(笑)

それにしても映画の巨匠たちの作品を海外は手軽に観れるのに日本は観るのに一苦労する時代となったなぁ。

言論弾圧か、はたまた業界の営利主義、無知なる知識なのだろうか?もしくは栄華を誇ったジャパン・マネーの没落か。

ミケランジェロ・アントニオーニの代表作『情事』は人間関係が不明確になるカット版がビデオ時代に発売されたのみで、DVD時代になって、完全版の発売の動きがあったけれど、今は「中止」の模様

イングマール・ベルイマンの晩年の代表作『ファニーとアレクサンデル』はビデオ時代はテレビ用バージョンの5時間ものが出されていたけれど、DVD時代には再編集の映画版の発売のみだし、放映時、スウェーデン本国で離婚が急増したという『ある結婚の風景』もテレビ用バージョンは輸入盤を捜すしか手はない。

レンタルDVDではアントニオーニは近作含め、5本程度しか観られず、ベルイマンに至っては未公開だった作品のみが観られるというマニアのみ喜びそうな状況。

平均寿命再び上昇でもあまり喜べないなぁ

  • OhmyNews : 亡き人を偲べない