2010-03-27

サマータイム Summertime

多分、自分で買った初めてのLPレコードは中学生の時に買ったジャニス・ジョプリンの「In Concert」のような気がする。

そのジャニスの「サマータイム」にしびれた思いは、その後、映画「ジャニス」でのスターになったジャニスが自分を蔑んだ故郷の人たちを見返してやるんだと言って帰郷した故郷で完全に無視され、悔し泣きするジャニスとなり、今、ウッドストック40周年で復刻されたジャニスの「The Woodstock Experience」を買って聴く自分に繋がっている。

今日、仕事帰り、時季はずれの猛吹雪となり、女の子たちが「まじ!もうすぐ四月だよ」と叫ぶ光景を見て、ジャニスの「サマータイム」を聴きたくなった。

春間近につるつるに凍った路面を歩きながら聴く「サマータイム」こそジャニスなんだよなぁ。なんてね。

2010-03-26

正しさは正しい Correctness is correct.

昨日、ちょっとした操作ミスでスマートフォンの連絡先一覧を消してしまい、慌ててバックアップを復元したところ、なにやらエラーが出て、スマートフォンその物がハングアップしてしまった。リセットも利かなくて、しかたなく、バッテリーを外し、いったん電源を落とし、電源を入れ直すと、起動画面で止まったまま、動かなく、電話の機能も使えなくなってしまった。

メーカー修理かなと気落ちしつつ、会社の同僚の送別会に参加の後、帰宅後、念のためにと取扱説明書を引っ張り出し、リセット、フルリセット、初期化と試し、なんとか使えるようになり、バックアップを復元して、今年初めの状態にまで戻し、まずは一安心したところ。

もうすぐ四月というのに寒の戻りを繰り返し、気分もあまり優れぬこの頃、余計な手間でまた少し疲れてしまう。

この日記でも何度となく書いてきた道民共済とのやり取りも疲れが溜まる原因のひとつで、入院保険を支払う代わりに、「ご加入の継続はいたしかね、お支払いをもって解約となる」から共済加入証書を送れという要求を受け入れつつ、先日、簡易書留で共済加入証書を送り、それと一緒に告知義務違反とする「加入申込書」の写しを送るよう申し入れる手紙を同封させた。

その文面には病院側から個人情報の開示を求められたので、調べた結果、支払いに問題なしとした電話があったことや加入時に道民共済の事務所に直接行き、生命共済の加入について尋ねたなどをも書き記したのだけど、数日後、その返信が届き、告知義務違反である証拠の「加入申込書」の写しが送られてきた。

それに添えられた手紙には、インターネットからの申込である旨が書かれており、支払いは後日になるとあった。

我が家には道民共済の申込用紙が何通か残っており、いろいろ下調べした末に、インターネットからの申込をしたのだろうと思い返しているけれども、道民共済側にすれば、提出された書類のナンバーリングが全てであり、正論の根拠になるのだろう。

自社の正しさを書き連ね、「支払いは後日」という不明確で配慮のない態度が腹立たしく思うのだけど、そんな感情論は「正しくない」のだろう。

いつ振り込まれるかを気にかける今日、ゆうちょ銀行からメールが届き、振り込まれた事を知り、記帳しにATMに立ち寄ってみる。

計算以上の金額が振り込まれており、おそらく解約により発生した余剰金も含まれているのだろうと思うけど、一時に振り込みたいから、訳も言わずに共済加入証書の返却を急かすやり方はただ加入者に不安を与えるだけと思う。

「正しさは正しい」裏にある配慮のなさは病み上がりの人間に手厳しい質問を投げかけてくる時と同等のものだろう。

閑話休題。支払いと共に問題は解決し、全国生活協同組合連合会の苦情・ご提言等の受付窓口に申し立てる事もなくなりはしたけど、道民共済と関わり持つのはもう懲り懲りというのが本音だし、加入している火災共済も解約しよう思っている。

「正しさは正しい」ごもっとも。それで世間が成り立つなら誰も苦労はしません。

今回学んだことは、契約取引の証拠となる物は必ず貰い、大切に保管して、いざという時に提出出来るようにしとけという事。

まずはひとつ肩の荷が下り、渡の世間の鬼退治、一服ついでに振り込まれたお金の使い道を考えようと。

2010-03-23

牛の鈴音 Old Partner

蠍座で上映している「犬と猫と人間と」が描かれるペットへのエゴというテーマの重さから、時間の都合がついてもどうも足が向かず、みぞれが一日中降りしきる今日は結局、シアターキノで上映する韓国のドキュメント映画「牛の鈴音」を観に行った。

子供らが街に出て、韓国の山村に暮らす爺ちゃんと婆ちゃんが細々暮らすために田畑を耕すために飼っていた老牛の弔いから映画は始まる。

ヨタヨタ歩く老いぼれ牛と幼い頃から足が不自由な爺ちゃんの畑仕事を、愚痴りながらも手伝い続ける婆ちゃん。それだけの話の映画の中に、農薬の話や畑作の機械化の話、市場開放で国内の牛の価格が暴落する話など、ちょっと作為的な仕掛けが施されはするけれど、老牛と年寄り二人は何もしなくても予定通りに老いていく。

山間の自然の中、老いていく者たちが繰り広げる営みだけが映し出されていく。

「土を耕し、子を育てたすべての牛と父親に捧げる」エンド・タイトルに記されたこの言葉がこの映画のすべてであるけど、観ないとそれは分からない。

昔、人は生きるために動物を飼い、動物が亡くなる事でどう生きようか思案に暮れた。そんな生き方しか知らない韓国の老人のドキュメント。

週間天気によると今年3月はこのまま春らしくならずに終わるとか。そんな生き方を忘れた街にみぞれは降りしきる。

2010-03-20

頭おかしいんじゃない It is stupid.

帰宅途中の地下鉄の中、今風のギャルが友だちと乗り込んできて、僕の隣に座り、お互いの近況報告をしあっていた。

聴くとはなしに聴いていると、ギャル語連発しながら、ハイトーンな会話が面白かった。

おじさん風に再現すると。。。

「5日から20日まで休みなしって、なーに?それ。頭おかしいんじゃない?」

指折り数えて。

「5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日。15日も休みなしジャン。人を莫迦にすんなっつぅの。」

「店長がさ。やれる人、手を挙げてって、聴いたら、みんな手を挙げるジャン。一人だけ出来ませんっても云えないし、手を挙げちゃうよね。」

お二人さん、片方が降りる駅に着くと、お互い、「負けずに頑張ろうね」と励まし合っていた。

「怒れる若者」健在なり。

怒ることを忘れた高齢化社会の中、「負けるな、一茶、ここにあり」。

2010-03-19

フィリップ、きみを愛してる! I Love You Phillip Morris

春の嵐が来るという。嵐の前の穏やかな日、ジム・キャリー、ユアン・マクレガーのコテコテ・ゲイ・カップルのコメディ「フィリップ、きみを愛してる!」を観に行ってきた。

「フィリップ、きみを愛してる!」と云うために、そこまでするかの犯罪歴で、懲役167年。これが実話で、原作者は現在も刑務所暮らしというアバウトなお話。

世間体を気にして、妻帯者になったものの隠れてゲイ生活を送るのにうんざりした男が、カミングアウトして、家を飛び出し、ゲイライフを満喫するものの、遊ぶためにはお金が必要で、詐欺まがいなことを繰り返し、辿り着いたのは刑務所暮らし。

それが彼の人生を変えることとなり、最愛の「男」と巡り会う。けれどもしかし。

「嘘の奥にある真実を知って欲しい」と彼は弁解するど、出逢いたいがための嘘、付き合い続けたいがための嘘、別れたくないための嘘、やり直したいがための嘘で、懲役167年にもなった男の悲喜劇に、虚栄張り生きる誰かさんの悲喜劇をオーバーリアクションしたかのようでシニカルにもなるけれど、誰かさんと決定的に違うのは「きみを愛してる!」からの嘘。得たい者を得るために、得た者を逃がしたくないために、逃がした者をまた得たいがために、罪を重ねていく彼は、結局虚栄でしか人を愛せないのだろう。

わざとオーバーな演出の愛の告白シーンに流れるビージーズの「ラブ・サムバディ」の白々しいこと。思わず笑っちゃいました。

みんな、愛するのが下手になってきているんだね。

2010-03-16

卵が先か、鶏が先か The egg is ahead or the chicken is ahead?

お役所の古い体質もろ出しの道民共済さん、先日の携帯電話での話の内容をさっそく封書で送って下さった。

それによると、加入以前より北大病院にて治療通院しているから、申込加入自体、受けられないと前置きしている。

けど、僕は申込を共済の会社窓口に出向き手続きしており、その申込用紙のコピーが見あたらないので、告知欄の確認は出来ないけれど、申込加入を受けつけて貰ったんだけど。

まぁ、それは置いておいて、「この度のご請求につきましてはお支払いさせて頂きます」とあるのは、一安心として、「ご加入の継続はいたしかね、お支払いをもって解約となる」と書かれてある。

続けて、共済加入証書の裏面通信欄に「返却」と記入、署名、捺印の上、至急返送願うとあり、今月分として引き落とされた掛け金も後日、入院保険の支払いと共に戻すとあった。

退院間際に長々嫌な思いさせられるところだから、継続もしていらないけれど、ここで疑問に思ったのが、共済加入証書を返せば、支払われるのか、支払われれば、共済加入証書を返すのかという疑問。

直接問い合わせ、また嫌な思いをしたくないので、結果を知らせて欲しいと云われていた消費者相談センターにその事を問い合わせて貰うため、出かけていった。

電話によると、共済加入証書を返せば、支払われるとの事で、相談員さんが食い下がってくれて、共済加入証書が返却された4、5日後には支払われるとの回答があった。

けれども、なんか「オレオレ詐欺」みたいな感じがどうもぬぐいきれないし、相談員も振り込まれる金額を一応確認してくれた。

その後、肝炎訴訟の早期解決を求める署名を渡す用もあったので、肝炎訴訟の弁護士さんの法律事務所を訪ねて、事務の女の子にこの封書を見せ、成り行きを話すと、弁護士さんが関わるとどうも長引きそうな感じもしたので、とりあえず共済加入証書を返却して、振り込まれるか様子を見ると話すと、事務の女の子が送る際に、書留郵便で送り、送った証拠を残すようにとアドバイスしてくれた。

解約手続きは道民共済にとっては優先課題だろうけど、加入者を鼻から疑ってかかり、共済加入証書を返せば、支払うという態度は時代錯誤も甚だしいと思うし、共済加入証書が仮に悪用されたところで、管理体制がちゃんとしていれば、断る術があるのに、なぜ、共済加入証書の返却にこだわるのかが理解しがたい。

まさか、加入申込手続きの時に告知していた事を見落としていたから隠蔽なんて事はないとは思うけど、疑う者に対してはこちらも余計疑惑がわいてくる。

2010-03-15

幽霊バス Ghost bus

人は死ぬ時、数倍の大きさになり、その存在意義を示し、死ぬとガルシア・マルケスの小説に書いてあった記憶がある。

先日の「幽霊バス」の謎は、教えて頂くところ、地下鉄駅で飛びこまれた方がおり、事故処理のため、不通区間の代替バスであったらしい。

この存在意義の大きさは何台ものバスを動かす程、大きなものだったのだろう。

季節は人事異動などで人が動く季節。「俺を忘れないでくれ!」「私を忘れないでくれ!」という数倍の大きさとなった行為も、慌ただしさの中にかき消され、翌日の新聞記事にもならなかったらしく、この世の居場所がなくなった方は語り継がれもしないようである。

人事異動の季節は仕事を終えた団塊の世代たちにとっては、居場所捜しの季節なのか、昼に入りに行ったスーパー銭湯は働き終えたのだろう団塊の世代の親父たちでごった返していた。

居場所がなくなった方の集まるところ、ここもまた「幽霊バス」(Ghost bath)なのかも知れない。

2010-03-13

どうでもいいけど、気になること Be anxious though it is trivial.

今日、仕事の帰り際、「回送中」と表示された走るバスの中、吊革を掴む人もいるほど満杯の乗客を乗っていた。「なんで?」と思っていると、その後に「貸し切り」と表示されたバスが続いて来て、「あぁ、表示板の変更を忘れたのか」と納得したけど、「貸し切り」で吊革に掴むほどの満杯の客を乗せたバスって、あるのかなと疑問に思う。もしかして、あれが噂の「幽霊バス」だったりして。

そんなような、どうでもいいけど、気になることといえば、先日の肝炎訴訟の公判にて、原告の意見陳述がなされている時、被告側の国の席に着いた人たちを何げに見ていると、年配の方々の座る中で、傍聴席側に座っていた30代ぐらいの若い方が、頬杖ついて、原告の意見陳述を聴いていた。被告の国を代表する方達なのに、年配の方々もその若い方を咎めるわけでもなく、なんか頬杖つく若い方が異様に見えたのは僕だけだったのだろうか?

それとも頬杖つかなきゃならないくらい体勢維持が困難な内部障がいの方だったのだろうか?

それが今でもどうでもいいけど、気になること。

2010-03-12

和解 Reconciliation

札幌のB型肝炎訴訟を行っている法律事務所より札幌地裁で、裁判所の和解勧告を被告である国が受け入れるかどうかという公判があるというニュースを頂き、友だちと裁判所に傍聴しに行ってきた。

開廷30分前に着くと、冷たい風が強く吹いている裁判所前では原告団による今日の日程が原告、支援者たちに説明されているところで、よくニュースで観る原告団の裁判所に入る光景の前の情景がそこにあった。

札幌の原告、日本各地の原告、支援者と入廷し、原告のひとりである女性が自分がB型肝炎と知った経緯から今日に至るまでのしなくてもよかったはずの苦労を淡々と語り、親が我が子の健康を思い受けた集団予防接種が、国の指導がなくずさんな医療体制の元、注射針の使い廻しからB型肝炎ウイルスを感染する結果になった事が、慢性肝炎と生きなければならない今の私たちなのだと語られ、原告ら訴訟代理人である弁護士から「和解勧告を求める上申書」が読み上げられて、公判は閉廷となった。

一階ロビーで被告である国が和解を受け入れるかどうかの決定の報を待つ原告の方達と共に行動し、和解が提示された知らせに、これでやっと国の施策が動くきっかけが出来たのだと、涙ぐむ原告の方達と公判結果を素直によかったと思った。

肝炎を含む内部疾患も障害の基準に組み入れられるという話も聴いており、無理をすれば命に関わる内部疾患が障害と認定される事により、今まで「不自由さに負けるな」式の頑張りズムが大手を振るっていた障害者自立支援も、その人の「ありのまま」を認めるように変わっていくことを願わずにいられない。

弁護士会館で説明会があるという話だったけど、それには参加せず、裁判所を友だちと共に後にした。

友だちと昼飯を食べ、別れた後、B型肝炎治療の入院保険を請求している道民共済から電話があり、調査の結果、以前から行っている投薬治療とB型肝炎は無関係であるから今回の入院保険は支払うけれども、投薬治療をしている人の加入は断っているので、これで共済保険を解約とさせて頂くという話で、聞こえよく云っているけど、ようは入退院を繰り返しそうなB型肝炎患者はお断りなだけジャンと思い、携帯電話に長々話すので、「口だけじゃ判らないから書類を送って下さい」と話を打ち切った。

これもB型肝炎救済処置が具体化する前の「和解勧告」なのかなとあきれもしながら、冷たい風が強く吹いている街中、帰宅の途に着いた。

2010-03-11

トワイライト Twilight

「タイムカプセルを開封します」その新聞広告から集まった1970年キッズたち。

世紀末を超えて、何事もなく迎えた2000年代で、彼らはある者は会社をリストラされることにおびえ、ある者はバブル崩壊で夫の仕事がうまくいかなくなってから、夫婦の関係もおかしくなり、ある者は売れっ子塾講師から緩やかな下り坂を迎える、そんな40代になろうとしている。

気乗りしないままに、小学6年生の時に埋めたタイムカプセルを掘り起こす現場に集まった「たそがれ族」は、キッズたちが卒業の後、怨恨で殺された当時担任の手紙をタイムカプセルから拾い出す。

「今の私と同じ年になったあなた達は幸せですか?」

過去からの問いかけに反発しながらも、過去の自分が埋めた未来への贈り物に戸惑うキッズたちの一週間を重松清「トワイライト」は描く。

「タイムカプセルを開封します」と呼びかけたのは、そのクラスにたった一週間しかいなかった転校生で、今はB型肝炎で入退院を繰り返す男。

無理も出来なく、訪れるはずの死と向き合うその男は更に10年後の自分たちへのタイムカプセルを埋めたいという。

「未来とは叶わなかった夢」と開き直るキッズたちは、自分たちの思い描いた未来には、緑がなかったなぁと思うようになり、10年後の自分たちへ希望を繋ぐようになる。

さながら一昔前のトレンディドラマ風な物語展開に、同時代の痛みを感じ、シンボライズに描かれる万博の太陽の塔のミニチュアに、僕より数年だけ若い「新人類」との共通項を感じた。

そして、この重松清「トワイライト」を電車通勤の最中、僕より一回り若い福山雅治の歌を聴きながら読むと、青臭く突っ張っていた若い頃やしたり顔で今を見ようとする自分が見えてきて、トワイライトの今を無理に走ることないよなぁと思いもする。

一昔前のトレンディドラマの主人公たちは今、幸せなのだろうか?無理して生きていないだろうか?と。

2010-03-09

地下鉄の謎 Mystery of subway

昨日、病院の帰りに、年度末、障害者の交通費助成の手続きをしに、区役所に行き、新しい年度の福祉乗車証を貰ってきた。

札幌市は障害者の交通費助成が福祉予算を肥大化させるとして、障害者の交通費助成の見直しをしたのだけれど、この時、当事者側から地下鉄の改札機で、いちいち切符を改札に通さずに、切符を改札機の読みとり部分にタッチするだけでよい札幌市営交通独自システムのSAPICAが使えるようにして欲しいという要望が出されていたけど、貰った福祉乗車証は従来の改札に入れるタイプのものだった。

脳性麻痺や脳梗塞など手足に障害ある人の福祉乗車証をみせて貰うと、一年間使わなきゃならない福祉乗車証は折れ曲がったり、すり切れたりで、出し入れの苦労が、市福祉課でもない僕が見てもかいま見える。

札幌市の交通局は累積赤字を解消すべく、市営バスを民間に譲渡して、今現在、市で運営している交通機関は街中を走る路面電車と地下鉄のみになっており、先のSAPICAは民間に譲渡した市内交通網にもその改札機導入のコスト面から折り合いつかずに使えなく、なぜか交通局管理下の市電でも改札機導入がされていなくて使えない、そして、独自システムにこだわったためか、JRなどの同じようなシステムとの連携もなく、札幌市の地下鉄でしか使えないという希少価値なシステム。

その希少価値のSAPICAの専用改札機なるものが地下鉄駅に配備され始めており、市営交通でも自慢げに周知ポスター[PDF]が張り出されている。

そこで、本題「地下鉄の謎」。よく云われる「地下鉄の電車はどこから入れるのでしょう?」じゃなくて、「地下鉄の最新設備の投資はどこから捻出するのでしょう?」

SAPICAの専用改札機は云うまでもなくSAPICAしか使えなく、まぁ、SAPICAを使う人にとってはスピーディさを求めるのだろうから専用改札機が欲しいという要望があって当然だけど、札幌市の地下鉄利用状況[PDF]をみればほとんどが利用者減で、時間帯別を考えれば、せいぜい朝夕のラッシュ時に「さっぽろ」「大通り」「すすきの」「西11丁目」が混雑する程度だろう。何も全駅にSAPICAの専用改札機を設置する必要性なんかないと思うし、従来型の切符を差し込む改札機にSAPICA用のタッチセンサー部をつけた改札機を増やした方がいいと思うし、SAPICAの専用改札機を有効活用するならば、改札機の使い勝手が悪い人たちが使えるシステムにすべきだろう。

他の交通網との汎用性がないSAPICAの専用改札機は昼など見ていると誰も利用者がいなく、旧式の改札機が列を作る場面もしばしば見られる。

札幌市の地下鉄の謎は、SAPICAだけじゃなく、東西線にのみ設置されている地下鉄ホームの防護柵は、それとセットに地下鉄車両を運転手のみのワンマン化も行われ、人件費削減も兼ね備えているというけれど、元地下鉄駅員だった知り合いによれば、路線全体の曲がりが少ない東西線だから出来るので、曲がりが多く、人身事故やトラブルの多い南北線、東豊線の地下鉄ホームの防護柵設置、運転手のみのワンマン化は難しいだろうと話していた。

昨日も区役所に行く途中、地下鉄駅で防護柵の点検整備が行われていたけど、防護柵だって年数経てば新しい防護柵に切り替えなければならないだろうし、今の地下鉄構内の人件費に比べてどれだけの経費削減になるかはあまり期待出来ないような気がする。

どうも行き当たりばったり的な市交通局のやり方を見ていると、危機意識が薄いと云われる札幌市政の実態のような気もするし、減価償却という概念がない行政予算の使われ方が地下鉄でよく表れているような気がする。

札幌市では路面電車の延伸が検討され、それには運賃値上げも提案されているけれども、現状、平日昼など交通網を利用するのは、交通費助成を受けた高齢者や障害者が大半である現実で、運賃値上げ=交通費助成の縮小になることを危惧する。

札幌市の総合交通計画部の交通施策には「札幌市交通バリアフリー基本構想」「札幌市交通バリアフリー特定事業計画」を謳っているのだから、利用実態に合わせた利便性を追求して貰いたいものだけど。

2010-03-08

バッド・ルーテナント The Bad Lieutenant: Port of Call - New Orleans

アメリカ、ニューオリンズ。巨大ハリケーン・カトリーナの襲来を受け、水没した警察署で牢獄の中で逃げ遅れ、助けを求める囚人が溺れ死ぬのを眺めている警察官二人。その一人が何を思ったのか、服を脱ぎ、その囚人を助け出し、飛びこむ時に打ち所が悪かったのか、生涯鎮痛剤に頼らなければならない生活になるが、この功績が認められ、表彰され、警察の位が一ランク上がる。

酒とドラッグと暴力にまみれた男を描いたアベル・フェラーラ監督、ハーヴェイ・カイテル主演で1992年に製作された「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」を、人間の原風景にこだわり続けるドイツ出身の鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督がニコラス・ケイジ主演でリメイクしたフィルム・ノワール。

ダーティなこの男を追う映像で、ワニが道路を這い、イグアナが一緒に外を眺め、犬が引っ張り回され、その度にカメラは動物たちの目線で人々を写す。

動物のような人間と人間のような動物。自然災害がニューオリンズの野性をされけ出したかのように、ダーティに生きることが当たり前のようになった世界で、人は酒を飲み、ドラッグにラリって、人を玩び、自分の名誉を積み重ねていく。

鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督のシュールな世界観は未だ健全であることに嬉しくなってくる。

溺れた者と助けた者が水族館の巨大水槽の前、座り込むラストは「人間皆同じ」と云わんばかりに、ニューオリンズのにぎやかな音楽が被さってくる。

養老院の老婆の酸素吸入器を外し脅す男の狂気は痴呆ゆえに立証されず、アメリカ奴隷史のルースの土地に呪縛する人間の野性は金と名誉とハイテクの世の中、観て見ぬふりとモラル至上主義という最もなじみ深いものになる。

2010-03-05

音沙汰なし Communication none

低血糖、低血圧のせいだろうか、今日は目覚めからなんか身体の調子が重い感じで、春先のべた雪が積もった玄関前を雪かきするのも難儀だった。

そして、未解決の難儀なことを何とかしなきゃと、10時過ぎに札幌市の消費者相談センターに出かけていった。

以前、日記に書いた道民共済の記事を読み、憤慨してくれた方からメールでアドバイスをいただき、相談に行ったのがこの消費者相談センターで、それから10日近く経った今も道民共済から入院の保険金の支払いもなく、審査通知の知らせもないので、再度確認するのに、僕が直接だとまた嫌なことを聴かれそうなので、報告を兼ねて、問い合わせして貰うよう頼みに行った。

道民共済の後に郵便局に書類を提出した簡易保険は先週に振り込まれているのに、道民共済は何の音沙汰なしであることを告げると、審査に時間がかかっているのではとアドバイスしてくれた相談員の方は電話をしてくれた。

電話の内容は、担当者が席を外しており、昼過ぎには帰ってくるとの事で、折り返し僕の携帯に電話するといっているとの事だったけど、こっちもせっかくの休日でもあり、昼から映画を観たかったし、僕の方からかけると云って、とりあえず今回の相談を終えた。

結果が分かったら、連絡下さいという相談員の方に一礼し、消費者相談センターを後にしたけど、結局、こちらからは必要書類を出しているのに、また根ほり葉ほり聞かれるのが嫌で電話はしなかった。

必要書類の不備の指摘もなく、ただ加入期間が短いだけで、病気の潜伏を知っていたと疑われ、まったく関係のない、35年も飲み続けているセルシン錠との因果関係を問われ、告知義務違反かも知れないといいながらも、おそらく今月もしっかり月々の掛け金は口座から引き落とされるだろう。

5000円の診断書の提出を求め、音沙汰なしの審査通知はいつ届くのだろう?

2010-03-03

e-Tax

確定申告はとっくに済ませているけど、e-Taxの話題がちらほら聞こえてくる。

思うにe-Taxの利用者側のメリットって、パソコンで申告出来るだけのような。

e-Taxの控除もその年だけとけちくさいものだし、還付も混む前の申告に比べ、一週間程度しか早くない。

e-Taxを利用する際に求められるのが、住基カードの登録で、さんざん問題になった住基カードの利用促進にe-Taxが使われているだけだろう。

住基カードの問題は自分の個人情報がネットに流れる云々で議論になったけど、本質は自分の個人情報がひとつにまとめられる事だと思う。

ひとつにまとめられた個人情報がハックされたら、どうなるかだし、その納税情報から子供手当だとか、障害者助成だとかで、この人は収入があるからあげる、あげないの判断に使われる可能性があるから危ないんじゃないか。

まぁ、手当や助成を受けられないほど収入があるわけではなく、給与から天引きされた税金が返って欲しくて確定申告する身には住基カードの個人情報流出なんか何も怖くないけど、住基カードの登録料、e-Taxで使われるカードリーダーの代金など身銭切って、自分の個人情報を提供する気もないし、確定申告の時に後から電話などで問い合わせ来るより、対面で申告した方が何となく安心出来るというアナログ思考からe-Taxはする気になれない。

便利さの裏側を知ると便利さの怖さが判るかも。

2010-03-02

寒暖 Temperature

先週の暖かさから一転して、ここ数日の寒さのせいか、または年度末で慌ただしい時期に気持ちが引っ張られたのか、疲れた感じがあり、肩凝りもひどく、軽い咳も出ている。

肝臓が悪いと疲れやすいと云われ、その実感はあまりないのだけれど、ちょっとした慌ただしさに敏感に身体が反応するのは、やはり「疲れやすい」からなのだろうか?

年度末の月を迎え、出来る限り身体を休めようと、仕事も調整しているけど、仕事にまつわる人間関係が年度末になると特に面倒な事が多くなり、精神面から疲れてくる。

人の世の年度末って、案外季節と同じく寒暖の差が激しいのかも知れない。

別段書くこともないのに、こんな徒然を書いてしまうのも寒暖のせいかもしれないし、それにしても本心はなかなか書くことが出来ない。

先日の津波騒動や公共の場での煙草全面禁煙の議論など、本筋の地殻変動がおかしいだとか、煙草を販売する事の是非は置いておいての茶番と同じように。

僕たちの環境の寒暖差は狭まるのだろうか、それとも広がるのだろうか。

そんなお節介な議論をあざ笑うように、地球は回っているんだよね。