何十年ぶりかで観たスティーブン・スピルバーグ監督作品。最近作も観たいと思いながらも観損ねていて、社会派としてのスピルバーグ作品を観るのはこれが初めてだった。
世界で唯一原爆を投下した国・米国が原爆投下に怯えた冷戦時代。
米ソのスパイ合戦が激化し、捉えられたそれぞれの国のスパイの交換に奔走する弁護士。
保身の立場の米国の中でバッシングを受けてもソ連のスパイを擁護し続けた弁護士が大きな冷戦下の駆け引きの役目を負わされていく話の流れは引きつけられるものがあり、ベルリン市内に築かれた冷戦の象徴であるベルリンの壁を巡る物語が国家の争いが人々を引き裂くことを見事に提示する。
貫禄が出たトム・ハンクスの重厚な演技も見事で、人権擁護を貫く弁護士が、冷戦時代と現代を見比べるようなドラマ展開も面白い。
映画の中で出てくる核の脅威を宣伝する映像は何度か観た記憶があるけど、あれはソ連の核武装に対する米国国民への恐れを煽る映像だったんだな。と改めて知り、原爆投下、水爆実験を繰り返し続けた国のご都合主義を垣間見もしたけれど。
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