2013-02-25

遺体 明日への十日間 Reunion

2011年3月11日、岩手県釜石市。ごく普通の暮らしを送っていた市民に襲った東日本大震災。海側の街は津波で全滅、山側の街にその遺体の数々が運び込まれてくる。

廃校となった旧釜石第二中学校の体育館が遺体安置所として使われ、現状を把握出来ないでいる人々はその惨状を目の当たりにする。

パニックになり、身体が硬直し、動けなくなる市職員。DNA鑑定も任され絶句する遺体の状況を調べる医師。死後硬直した口をこじ開け、歯形を調べる歯科医。その体育館に身元確認に訪ねてきて怒号する遺族。

その惨状をドキュメントタッチで追うこのドラマは被災から10日間の遺体安置所のドラマ。

運び込まれ、口から泥水を吐く遺体。その遺体を身元確認出来るように調べ上げる医師達。長引く停電で火葬場が停まり、納棺する棺桶すら足りない状況。届いた棺桶に納棺する時、死に装束も足りず、身体を清める水もなく、泥だらけの亡くなった時の衣服のまま納棺される遺体。血の気がひき、どす黒くなっていく遺体にせめてもと手持ちの化粧用具で死に化粧する家族。

「この方々は死体ではなくご遺体です」

人として弔う。それが「ただ助かっただけ」の人達の行い。

地方都市であるがための人の輪の大切は裏返せば大都市災害でこのようなことが可能かどうかという問いにもなるだろう。明日の大災害に備えての教訓としてこの映画を観た。

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