世界から映画史に残る名作と認められている小津安二郎監督の「東京物語」をモチーフに作られた山田洋次監督の新作「東京家族」。
リメイクではなく、何故「東京物語」をモチーフにしたのか。
よく云われる「東京物語」の「無常」を活かしたかと言えばそうでもない。
物語の大半が東京が舞台で、子供たちも3人兄弟と少なくなり、親思いの子供たちの話に変わっている。
東日本大震災の話もさりげなく織り込みつつも本筋に深く関わることもなく、家族の物語は今の時代を生きる人達の物語になっている。
小津監督のシニカルさはない分、山田洋次監督は現代をこの家族に観ようとしている気がする。
けれどもそれならば何も世界の名作「東京物語」をモチーフにしなくてもいいじゃないかと思う。
「東京物語」は残酷な話だから「無常」であるのだから。
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