日本、ソビエト、ドイツの軍服を着て、戦った日本人と朝鮮人の二人の青年の物語。
朝鮮戦争の悲劇を描いた名作「ブラザーフッド」のカン・ジェギュ監督の新作だから観に行った。
始まりのランナーとしてのライバルである二人の競い合う場面はまだしも戦闘場面に至るとCGてんこ盛りのゲーム的な映像が食傷気味だったが、ドラマとして観ていくならば、日本人と朝鮮人の対立に終始するソビエト戦からソビエトの捕虜になり、立場が逆転し、更にドイツの捕虜兵隊になっていく中、権力への絶対服従がどのようなものか映画は描く。
視点は面白いけど「ブラザーフッド」の信じて戦った国の裏切りへの悲しみに比べれば、小手先の論理のような気がする。
世界市場を狙ったものであろうけど、例えばロシア映画の「戦火のナージャ}の虚しさに比べれば、どうも見劣りがする。
オダギリ・ジョー、チャン・ドンゴンの演技は素晴らしいけど、これからの映画作家の技量はCGをどう使いこなすかじゃないのかな。
「ブラザーフッド」同様、「うちに帰ろう」を描いたカン・ジェギュ監督の帰るべきところがそこにあるような気がする。
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