交通事故で両親を亡くし、同乗していた自分だけが生き残った少年はナガサキの原爆も知ることなく特攻隊として死んでいった若者の幽霊と語らい、戯れ、見知らぬ人の告別式に参列するという死に捕らわれた日常を送っている。
見知らぬ人の告別式で出逢ったガンに冒された少女と恋に落ち、誰にも話せなかった心の内を互いに打ちあけあい、愛を育んでいくうち、死と向き合う少女を失いたくないともがき苦しむようになる。
大人になれなかった、大人にならなかった特攻隊の青年とガンに冒された少女。
永遠の子供たちを思い返す少年には想い出が残った。
死の世界に捕らわれながらも死の世界に受け入れられなく、生き始める少年はもう孤独じゃなかった。
デニス・ホッパーの息子、ヘンリー・ホッパーが孤独な少年を瑞々しく演じているし、特攻隊の青年演じる加瀬亮もいい味を出している。
天国より近くにいる君へ。おとぎ話のように現実を映し出す物語が何とも愛おしい。
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