「男と女」のジャン=ルイ・トランティニャンと「二十四時間の情事」のエマニュエル・リヴァが演じる老夫婦の老老介護。今年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞したミヒャエル・ハネケ作品。
映画の中で病に倒れた妻を献身的に看る夫に日本の男性像では思い浮かばない自立した老紳士がまず印象に残った。
社会より個人を重んじる欧米の老夫婦の如く、妻の病は重くなり、夫の負担が重くなっても娘の口出しに頑なに拒む夫がひとり抱え込む妻の病。
ミヒャエル・ハネケは個人主義である故の問題としての老老介護を描いたと思う。
個人主義に馴染みなく、社会依存が強い日本では退職で自分のアイデンティティを見失ってしまうといわれる老男性が仮にこのような状況に追い込まれたら日本の男たちはこのような介護を出来るのだろうか?そんな思いがふと過ぎった。
そう考えると日本の老老介護はもっと悲惨な物語がありそうで恐ろしい。
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