人体解剖、教えてやるから働け、出来なきゃ死ね。ようやく園子温監督のこの素晴らしき世界を描いた名作を観たけど、こんなものかと云う気がする。
悪人ばかりが出て来て、騙し合い、自分の金を取られそうになると殺し、跡形もなく解体し、消し去る。その片棒を担がされる主人公は臓物が転がる血の海の浴室で反吐を吐き、ぶん殴られる。
園子温の正しい身の守り方は人のエゴの剥き出しの状態にこそ描けるのであり、エゴのぶつかり合いこそが人間の本質であるかのように描かれる。
血の海を泳ぐ連中の生きようとするエゴは血の海で泳ぐ事が快感であるかのように映される。
園子温の面白さってそんな本末転倒した世界を描く事で、キモイ映像だけが持て囃されたのでは意味ない事。
「冷たい熱帯魚」は死んでも別な「冷たい熱帯魚」が泳ぐ。そんな素晴らしい世界を園子温は描いているんだと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿