母の謎の遺言から知る過酷な母の人生と自分たちの生存意義。
ヴェネチア国際映画祭最優秀作品賞を受賞した「灼熱の魂」を観た。
政情不安定な中東の母の祖国を訪ねた双子の姉弟が見聞きする話の過酷さは凄まじいけれども、平然と受け止めてしまう自分がいる事にも感覚麻痺している観客としての自分の怖さがあり、放射能汚染の影響が明確になる時、日本もこのような環境になるのかなと思ってみても、遠い国の出来事という人ごと的な感覚のまま、観ている自分がいる。
ただ、複雑な出生の話を母から聴かされていた自分としてはこの姉弟が知る自分たちの生存意義はよく判ったと思う。
過酷な運命は 1+1=1 の残酷さで描かれ、憎みあう社会は人間が侵してはならない原罪がやすやすと破られていく。
母の遺言の中にあった私をうつぶせに葬ってくれという言葉、今の社会の罪は人が詫び続けても取り返しのつかないほどに残酷なもの。世界は人を殺しながら崩壊に向かっている。
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