障害に対する価値観がちょっと異質な増村保造監督。晩年の山口百恵「赤い」シリーズや、「スチュワーデス物語」などテレビドラマの演出、脚本で有名なこの方のテーマは日本的ルネサンスとしてブレーキを持たない日本社会にとって個人が障害を持つ事がルネサンス(人間開花)であるとする一連の映画。
- 従軍看護婦『赤い天使』の負傷した者たちを救い続ける女の兵隊
- 国と男の奪い合いをする『清作の妻』
- 麻酔薬開発に献身した『華岡青洲の妻』の姑との女の争い
- 江戸川乱歩原作『盲獣』の裸体をイメージしたオブジェクトの上、繰り広げられる性愛
- 幼くして過酷な人生を味わい尽くす『大地の子守歌』盲目のお遍路旅
カルト的人気の増村保造監督作品って、現代のフリークス社会のシンボル化であるのかも知れない。
残暑厳しい中、汗だくの日本的ルネサンスを知るのも一理かも。
フィルモグラフィ
1950年代
1957年 くちづけ 大映
1957年 青空娘 大映- 1957年 暖流 大映
- 1958年 氷壁 大映
1958年 巨人と玩具 大映- 1958年 不敵な男 大映
- 1958年 親不孝通り 大映
1959年 最高殊勲夫人 大映
1959年 氾濫 大映- 1959年 美貌に罪あり 大映
1959年 闇を横切れ 大映
1960年代
- 1960年 女経(オムニバス第一話:耳を噛みたがる女) 大映
1960年 からっ風野郎 大映- 1960年 足にさわった女 大映
- 1960年 偽大学生 大映
- 1961年 恋にいのちを 大映
1961年 好色一代男 大映
1961年 妻は告白する 大映- 1961年 うるさい妹たち 大映
- 1962年 爛(ただれ) 大映
1962年 黒の試走車 大映- 1962年 女の一生 大映
1963年 黒の報告書 大映- 1963年 嘘 大映
- 1963年 ぐれん隊純情派 大映
- 1964年 現代インチキ物語騙し屋 大映
- 1964年 「女の小箱」より夫が見た 大映
1964年 卍(まんじ) 大映
1964年 黒の超特急 大映
1965年 兵隊やくざ 大映
1965年 清作の妻 大映
1966年 刺青(いれずみ) 大映
1966年 陸軍中野学校 大映
1966年 赤い天使 大映- 1967年 妻二人 大映
1967年 痴人の愛 大映
1967年 華岡青洲の妻 大映
1968年 大悪党 大映
1968年 セックス・チェック第二の性 大映- 1968年 積木の箱 大映
- 1968年 濡れた二人 大映
1969年 盲獣 大映- 1969年 千羽鶴 大映
- 1969年 女体(じょたい) 大映
1970年代
1970年 でんきくらげ 大映- 1970年 やくざ絶唱 大映
1970年 しびれくらげ 大映
1971年 遊び 大映- 1972年 新兵隊やくざ 火線 勝プロ
- 1972年 音楽 行動社=ATG
- 1973年 御用牙・かみそり半蔵地獄責め 勝プロ
- 1974年 悪名 縄張荒らし 勝プロ
- 1975年 動脈列島 東京映画
- 1976年 大地の子守歌 行動社=木村プロ
- 1978年 曽根崎心中 行動社=木村プロ=ATG
1980年代
- 1980年 エデンの園 白信商事=オルソ・オリエンタル・コーポレーション
- 1982年 この子の七つのお祝に 松竹=角川春樹事務所
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