2010-04-30

霜花店 A Frozen Flower

高麗歌謡の「霜花店」は餃子のような饅頭を売る店を歌ったシンボリックな歌である。

中国「元」の隷国として存在するしかなかった高麗時代の末期、男しか愛せない高麗王は、幼い時から寵愛した親衛部隊の総官と床を共にしながらも、「元」より政略婚で嫁いだ王妃がおり、世継ぎが出来なければ、別な者を王座にと「元」から催促され続けている。

高麗王は総官に世継ぎ作りを命じ、王妃と交わらさせる。

愛する者に生きる高麗王は総官に似た「我が子」を抱くことを望み、生きるために愛する(ふりをする)総官は王の命令に従うけれど。

大国に楯突けない隷国の王に仕える王妃と総官、その三つどもえの「愛」は権力の元、どんどん見えなくなり、憎しみ、恨み、裏切りが破滅へと導いていく。

雙花店(饅頭屋)に、雙花(饅頭)買いに行ったら
蒙古人の主人が私の手首を握ります
この話が店の外でうわさされると
小さいお前、小役者、お前が言ったと思うぞ
お前の寝所に私も行く
こんなひどい寝所はみたこともない

弱い者が自分より弱い者に「愛」を求めても、「愛」は得られなく、より弱い者たちもまた「愛」を得ることはない。

男と男と女の物語は我を張らずにいられない人の孤独が見えてくる。

共に野を駆け回る夢はあるのに。

2010-04-27

童神 Warabi-Gami

幼馴染みの友人のところで、ニュースに流れる米軍普天間基地の話となり、古謝美佐子さんのシングル「黒い雨」で語られる米軍基地に勤め、米軍のジープにひかれ亡くなられた古謝さんのお父さんの話を友人に教え、先日、購入した古謝さんの新譜「廻る命(めぐるいのち)」を聴きたくなり、帰宅後、聴いた。

代表曲で、孫の誕生を祝い作られた「童神」がベースにあり、歌われる内容は生まれ、生きられる喜びと、ここでもまた歌われる「黒い雨」の死への脅えとゴスペルの超有名曲「アメイジング・グレイス」のカバーの祈りでまとめられたアルバムに癒された。

米軍普天間基地の問題を人ごとのように語るのは易しいけど、政治的な議論で見過ごされるところに「命」がある。

唐ぬ世から、大和ぬ世
大和ぬ世から、アメリカ世
みじらさ変たる 此ぬ沖縄

沖縄を代表する亡くなられた民謡歌手、嘉手苅林昌さんの「時代の流れ」に歌われるように大国に翻弄され続けた沖縄の歴史を知る人は今はもう少ないのだろう。

天からの恵み 受けてこの地球(ほし)に
生まれたる我が子 祈り込め育て

「童神」への願いは翻弄された土地に生まれた者たちの願いなんだろうと思う。

2010-04-24

別れの春 Spring of separation

土日の職場では誕生月に雇用止めになる人たちの別れがある。

ゴールデン・ウィーク間近、4月生れの方々の別れが相次ぎ、5月生れの方の中にも有給休暇消化のため、ゴールデン・ウィーク前に最後の出勤を終える方もいる。

そんな別れの春、明日はうちの部署の上司の方が雇用止めとなり、その方とその後継を勤める方の歓送迎会が行われる。

肝機能を気遣ってくれて、歓送迎会の幹事の人は僕に参加を問わなかったけれども、辞められる上司の方が僕に肝機能の具合はどうだと気遣ってくれる問いをかけてくれた。数年という短い間だったけれども、歓送迎会には出ないわけにはいかないと思い、出ることにした。

別れを惜しむ気持ちは残る者より去る者に強いのだろう。

そんな別れの春の後、20数年前に土日の職場に学生としてアルバイトをしに来ていた連中との飲み会、再会の春が待っている。

深酒出来ない身体でも、慕ってくれる人と共に過ごせる時を大切にしたい、と思う。

2010-04-23

肩の荷、ひとつ One piece of luggage of shoulder

春なのに、春だから、バタバタと過ごす毎日。

今週は2年勤めた平日の仕事の出勤最後の日もあり、肩の荷、ひとつ、軽くなった、そんな感じ。

背負うつもりなんか全然ないのに、背負ってしまった荷物が身体に食い込み、身動きも出来なくなったような感じがして、それを解き放ちたくて、友だちと「自分のしたい仕事を自分なりにやれるところをみつけたいね」と仕事を辞めることにした。

肝臓を患ったのも、それに拍車をかけたのかも知れないけど、軽くなった肩の荷はそれ以上に重い荷物を背負うのかも知れないけど、背負いたいものなら、その肩の荷物は思ったほど、重くないのかも知れない。

知らず知らずに重くなるのがいいのか、それとも思い切って、別な荷物を背負い直すのがいいのか、どっちがいいなんて云えないだろうけど、背負い直す事を決めた自分がいる。

「自分のしたい仕事を自分なりにやれるところをみつけたいね」

もしかするとこれが人生最後の転機かもとも思うけど、最後の転機だからこそ、背負った肩の荷、ひとつ、大切にしたい。そんな想いの、春なのに、春だから。

2010-04-21

みんな人の子 Person's all children

この頃、一昔前のトレンディドラマを何本か見ている。

唐沢寿明、清水美砂、福山雅治、浦江アキコの四角関係の恋愛ドラマ「ホームワーク」を見終え、今は今井美樹、仙道敦子、石橋凌、中嶋朋子、福山雅治のオフィースドラマ「あしたがあるから」を観ているところ。

パソコン作業をしながら流し観るには、トレンディドラマはなかなか面白みがある。

1990年代のバブル崩壊の頃、人の幸福価値観を描くこのドラマたちは身勝手になりつつある日本人の幸福論を見るようで、なかなか興味深い。

ホームワーク」は唐沢お坊ちゃんが同棲相手がいるのに他の女の子、清水美砂を好きになり、居候の福山に疲れ切っている清水美砂もぐらつき始める。唐沢お坊ちゃんの宝田お父ちゃんも金があれば幸福といいつつ、思い通りにいかない子供たちに寂しさがにじむ。

お坊ちゃんドラマの結末はクリスマスの夜。主題歌「クリスマスキャロルの頃には」が流れ、感動させようとしてもなんかやっぱりお坊ちゃんドラマ。流し見程度がやはりちょうどいい。

あしたがあるから」は今井美樹気楽なOLがある日突然、一部署の部長に抜擢されるシンデレラ・ストーリーならぬ、いじめ物語が始まるのだけれど、ヒロインはけなげに「昨日は死骸。明日があるから」とひたむきに逆境に立ち向かうサクセスストーリー。ここでも村井国夫金持ち社長が未練たらしく過去への報復を金の力で押しつけたがる。

金より人のふれあいが幸福という幸福論は、幸福な時代だから成り立つのかなと思ったりする。

もっと深いところ、みんな人の子という見方でトレンディドラマを観ていくの幸福という不幸せがお金の怖さを見えなくしているのだろう。

自分の過去と現在と未来に出逢う「クリスマスキャロル」に思いを馳せながら、一昔前を振り返るのも悪くない。

2010-04-19

身体の仕組み Mechanism of body

気候不順のお陰で、今日もお仕事。

先日、入会した肝炎友の会の広報誌に書かれてた話がなかなか面白く、ご紹介。

人の身体の臓器の役割で、肝臓は食道から胃、十二指腸、小腸、大腸という道筋から栄養を吸収した血管が、肝臓で栄養を役立つものに変えて、心臓を経由して、全身に栄養を行き渡らせるそうで、肝臓が悪くなると、柔らかな肝臓が傷だらけとなって硬くなる。これが肝硬変で、更に悪くなると肝機能が機能しなくなる肝不全となり、肝臓癌になるらしい。

肝臓癌になるのは大半がウイルス性肝炎で、近年メタボリックでなるケースも増えつつあるという。

傷が付き始め、硬くなり始めるのを肝炎といい、みぞおちの右下、肋骨の淵を手で押して、何か硬いものがあれば肝臓が悪くなっていると判るらしい。

肝機能が悪くなると、腸から吸収した栄養を含んだ血液が肝臓に行かずに、胃の裏側を逆流して、胃の横にある脾臓へ流れてしまう。

脾臓はマラソンなどすると脇腹が痛くなる事があるけれども、あれは足の方に血液が流れ、脾臓に血が行かなくなると痛くなる現象で、脾臓の役割は古い血液をフィルターする役目があるのだけれども、ここがパンクしてしまう。

肝臓で作られるよく知られたものに血小板があり、血小板が少なくなると怪我などした時、その傷口が治りにくくなったり、血が止まらなくなったりする。

肝臓の検査値としてよく知られたGOT(AST)、GPT(ALT)などはあくまでも結果値であって、肝臓の状態がよいか悪いかを判断する基準であって、治療が必要かどうかを見る値に過ぎない。

肝臓癌になる確率の高いウイルス性肝炎では、徐々に悪化していくのがC型肝炎で、B型肝炎は数値が安定したかと思うとまた高い値を示して、悪化していくという特徴があるという。

話はその治療法の話へと行くのだけれど、癌予知が可能なのは肝臓だけであり、その治療体制の確立の大切さがこの話の根底にある。

血液検査での肝炎ウイルスのチェックは希望者のみで、その検査は来年2011年3月31日まで、無料検診が出来るそうである。感染性が高く、治療可能なものの検査体制の不備が何故か医療先進国であるはずのこの国ではおざなりなままであるようだ。

今朝も吐く息が白く肌寒い春は続いている。

2010-04-18

古い友だち Old friend

職場に大学時代の映画サークルの友人が訪れ、先日の映画の上映会にその頃の先輩が来ていたと教えてくれた。

50代になり、札幌に帰ってきて、まだ上映会を続けているサークルに懐かしさで顔を出したらしい。

友だちはその話をしただけで、帰っていった

なんかこの頃、そんな再会が増えたような気がする。

先日も用事で、子供の頃に暮らした街に市電に行き、小学校前に降り立った時、うわぁっと想い出が蘇り、目頭が何故かしら熱くなった。

人と人との駆け引きに疲れているのだろうか。古い友だちが何故か愛おしい。

2010-04-16

東へ西へ Go to the east and west

公休日。好奇心旺盛だからか、貧乏暇なしなのか、今日もまた東奔西走。

「関東地方で雪の予報」と騒ぎ立てる都心中心のニュースに今さらと思いつつ、寒気が抜け、穏やかになり始めた札幌の街並みを歩き回るはいいけれど、昔は馬車の馬糞を撒き散らしたという馬糞風の季節の札幌は土埃が目に痛い。

まずは今月で退職を決め、必要となるのにどこにいったのか判らなくなった雇用保険被保険者証の再交付のために、ハローワークに。

さすが不景気の昨今一番混み合うスポットだけあって、人いきれにむせ返る。

再交付して貰った後、借りていたビデオを返しにハローワークから地下鉄駅まで歩き、地下鉄で東へ。

そこでDVDを借りようと思ったけれど、もっと安い値段で貸し出ししている西にある店に地下鉄で移動して、そのレンタルショップの傍、地下鉄駅に隣接しているビルにあるだったん蕎麦の店で昼食を食べ、また地下鉄で街中に出て、伸びた髪を切るために1000円カットの店に行き、さっぱりついでによく行くスーパー銭湯で歩き疲れを癒して、夕方、帰宅。

おだやかな春だから東へ西へも気持ちがいいもの。

でも、のんびり春を楽しみたいのも本心だけど。。。

2010-04-14

寒い春 Cold spring

数日前からの強風に加え、時季はずれの寒気の到来で、札幌は今朝から吹雪き模様。

気象庁の季節予報を見てみると、ゴールデンウィーク前まで寒い春は続きそうだとか。

5月は暖かくなりそうらしいけど、6月以降はどうやら冷夏となりそうで、また今年も昨年同様、夏らしい暑さは望めないのかなと少し寂しさも。

自然現象なのか、人的災害なのか、そんな責任論はどうでもよいけど、気候不順が健康を害するという実例もあることだから、まずは体調崩さないよう、無理せず、無理せず、自己管理しなきゃと気を遣う。

穏やかさを願う気持ちは贅沢なのでしょうかねぇ?

2010-04-12

ひとつ屋根の下 One under the roof

1990年代の超有名ドラマであるのに、何故かDVD化もされず、テレビ再放送も酒井法子の事件で放送見合わせとなり、レンタルビデオに並んでいるものも置いている店が少なくなってきたこの頃、一度も観たことのない「ひとつ屋根の下」を続けて観た。

1990年代のカリスマ脚本家・野島伸司の物語は如何にも連続テレビドラマという感じだったけど、離ればなれになった6人兄弟がひとつ屋根の下、暮らし始めるこの物語は懐かしいトレンディドラマのあの頃を思い出させてくれた。

話の矛盾、臭いセリフはさておき、ここに描かれる兄弟愛は今もなお、大切なメッセージのような気がする。

「そこに愛があるのかい」「心にダムがあるのかい」

寄り添い生きる兄弟たちの泣き笑いが忘れたものを思い出させてくれた。

2010-04-09

家電リサイクル Consumer electronic recycling

テレビ買い換えで振り回されるこの頃。

月曜に回収の申込の電話を札幌市の清掃サイトに記されている業者にかけ、金曜日に区内回収があるからといわれ、玄関に置かれたテレビを電話で言われた通り、今朝、業者が来る前に玄関前に出そうとしたのだけど、利き手が不自由なので、小型のテレビは運べたけれども、大きいテレビは重いので、業者の人に手伝って貰おうと思い、そのままにしていた。

午前9時過ぎ、業者の人が来たので、「テレビが重く、玄関から玄関前にテレビを運ぶのを手伝ってくれませんか」とお願いすると、「玄関前にはご自分で出して下さい。手伝うと別に搬送料として、お金がかかりますので」と断られ、利き手が不自由であることを話しても、お金がかかるの一点張り、そこで言い争いとなり、結局、こちらが玄関前にひとりでテレビを運ぶと、業者の人の方が逆切れして、運搬車に乗り込み、帰りかけた。

こちらも取引する気も失せて、テレビを放置したまま、家に入り、クレームの電話を札幌市環境局環境事業部に電話するけど、ここでも業者の方針だからと逃げ腰体制。

高齢者や障がい持った人の家庭で、家電リサイクルのテレビを出す時のサポート体制って何もないんだろうなと改めて思った。

業者はその後、良心が咎めたのか、玄関前に出されたテレビに対しての仕事放棄を気にしてか、家の前を運搬車でうろつき、終いに電話でどうしますかと問い合わせてきたけど、きっぱり断り、近所の家電屋に回収を頼みに行った。

近所の家電屋で、家電リサイクルを頼み、郵便局で支払ったリサイクル券を見せると、家電店で取り扱うリサイクル券と種類が違うといわれ、テレビ回収の窓口に問い合わせてくれ、対処してくれたけど、郵便局で支払ったリサイクル券での引き受け業者を書く欄に家電店の名前を書けばいいのか、引き取り業者の名前を書けばいいのか判らないと記入しないまま、こちらにリサイクル券を返してくれた。

煩雑に設定された家電リサイクルの利用者への配慮のなさを今さらながら思い知らされ、怒りを覚えた。

2010-04-07

恩人 Benefactor

人それぞれ主義、主張を持って生きていて、その主義、主張が十人十色なのだろうけど、主義、主張が一致しなくても、恩人は主義、主張を越えるものだと思う。

先日、幼馴染みに仕事の関係でその友だちを紹介されたのだけど、その人が幼馴染みのことを恩人と語っていた。どういう恩人か、聴きはしなかったけど、「恩人」とすっと云えるその人の人柄が好ましく思えてきた。それは僕の幼馴染みだからというわけではなく、その人の価値観として出て来たその言葉に好感を感じた。

僕にも「恩人」と云える人は何人かいる。

人生の節目節目で水先案内してくれた人たちは、自分と主義、主張が一致しているかというとどうかなと思うけど、その「恩」は主義、主張の違いを軽く超え、人と人の繋がりの大切さを思い出させてくれる。

だから、「恩人」なのだろうし、主義、主張だけで了見狭くなりがちな自分に別な見方を教えてくれたから「恩人」なのだろう。

2010-04-05

ややこしい It is confusing.

慌ただしさからなのか、肝機能低下なのか、不安を胸に、だけど、即入院の宣告が怖くて、どうしようかなの定期検診の日。

朝一番、とりあえず、この間の液晶テレビ購入でお払い箱になるテレビのリサイクルの問い合わせを札幌市の家電リサイクルのページを参考に、指定引取場所に電話をしてみると、「うちでは持ち込みは取り扱っていなく、業者を介して、引き取る形です。」とネットページに書いていないお答え。

その業者さんの電話番号を聞き、かけ、「リサイクル券は持ってます」というと、テレビの大きさを聴き、引取料金を教えてくれる。その金額はこの間、家電量販店に聞いた値段とおそらく同じで、指定引取場所の業者も家電量販店も同じ価格で引取料金を取るのなら、ネットページに金額を明記して欲しいなぁと、遠回りさせれたいらだちが募ってくる。

家電量販店ならば即日回収もありうるのに、指定引取場所の業者なら週一の回収日に出すことになり、お役目ゴメンのテレビは玄関にまたしばらく鎮座することになる。

そうこうしているうちに時間が経ち、迷っていても我が身が心配。急いで、病院へ定期検診を受けに行く。

下痢気味で、お腹の右側が張ったような、重いような、痛いような不快感があり、身体も疲れやすいと主治医に告げると、採血検査の他、レントゲン検査もしてくれて、おそらく抗ウイルスの薬の副作用だろうと診断される。

身体の中の不具合もややこしくて振り回される生活環境が心的ストレスとして影響しているのかも。

帰宅後、新規購入の液晶テレビで、地上デジタルの画面が本来ワイド画面のはずのものがブラウン管サイズに表示され、人の顔が心持ち、縦長に見えるのをいろいろ設定変えて、直そうと思うけど、どうにもよく判らず、契約しているJ:COMのサイトからお問い合わせしてみるけど、チューナーの機種名を書き忘れたことに後で気がつく。

おそらくは接続方法で、高画質で見られるS端子だとか、D端子だとか、HDMIだとかというコードで繋いでいないためだからだとは思うけど、そんな事はハイビジョンの常識なのかなと思ったり。

「捜し物は何ですか」が無数にあるややこしい時代の幸福論は無欲になることなのかも知れないなぁ。

というより、空振り企画が多すぎて、迷い道くねくねが本当だろうけどね。

2010-04-03

ニッポンの単身赴任 Work away from home of Japan

単身赴任という制度があるのは日本だけと、重松清のルポルタージュ「ニッポンの単身赴任」に紹介されている。

依存度が強いほど、単身赴任の孤独に耐えられないといわれる男たちの悪戦苦闘ぶりがこの本で数多く紹介されている。

週末の家族団らんを待ちわびながら、一人暮らしを謳歌するおじさん、札幌在住の単身赴任たち、札ちょん族たちの休み毎の寄り集まり。仕事難で、海を渡り、上海で悪戦苦闘する男たち。堪えられない孤独の末に、行き着いた単身不倫。

経済成長真っ直中に生まれた重松清さんはそんな親父たちの仕事ぶりを素直に応援するけど、ゆとりを求めた安保闘争という時代の波、公害汚染という経済成長の裏側を幼くも見てきた僕なんかは、ストレートに家族の幸福の犠牲を背負い込むおじさんたちの苦悩の方に目がいってしまう。

この本が出された2003年の単身赴任状況は今ではおそらくもっと過酷な物になっているだろう。日本の企業戦士たちの姿は、戦時中、お国のために出征し、死んで帰れと言われた名もなき兵士と同じじゃないか。そんな思いでこの本を読み更けた。

日本に人間らしい生き方が出来る時はいつになるんだろう。

「さびしくなんかないやい!」とこの本の表紙の挿絵書かれている。

2010-04-02

エコポイント Eco-point

入院保険が支払われ、思わぬ収入だったので、思い切って、液晶テレビを買った。

年老いた母はテレビを観るのが楽しみなのに、21型のテレビを我慢して、韓国ドラマなどの字幕を読むためにテレビ傍で観ていたので、ちょうど、4月から液晶テレビのエコポイント対象が絞られる事もあり、ドンキホーテなどで在庫処分の特価販売がされていて、この際と思い、ついでに自分の部屋のテレビも買い換えることにした。。

けれども、入院保険が支払われたのが月末だったため、お目当ての商品がどんどん店頭から消え、仕方なくネットを調べると在庫処分の安値商品はどこのショップも完売で、結局ヤフオクに出品されているものに入札することにしたのだけれど、これがまた、競り合いがヒートして、予定価格より高くなったけど、無理して落札してしまった。

まぁ、エコポイントで安くなるからと思いもしたけど、エコポイントの制度自体、よく知らなかったので調べてみると、なにやらややこしい手続きが多いようで、エコポイントの使い道もなかなか面倒な物がある。

昨日の晩、ようやくお目当ての液晶テレビ2台が届き、今朝、それぞれテレビを設置した後、リサイクルすることになるブラウン管テレビ2台の処分方法を調べると、「家電リサイクル」に行き着くけど、これまたややこしく、よく判らないまま、近所のホーマックに引き取りの依頼の電話をすると「家電リサイクル」に記されているリサイクル料金よりはるかに高い値段を言われ、「家電リサイクル」を読み返してみる。

それによると量販店での回収はリサイクル料金の他に、収集、運搬料金がかかるらしい。「家電リサイクル」のサイトでは自治体でも回収していると書かれていたので、札幌市の家電リサイクルのページを読むと、市では取り扱わずに、指定業者がいるらしい。更に「家電リサイクル」のリサイクル料金の支払い方法も業者に直接払う方法の他、郵便局でリサイクル料金を払い、リサイクル券なるものをテレビに貼り付ける方法があるらしい。

その領収書をエコポイントに申請すれば、それもポイントとして帰ってくる。

要はテレビ切り替えに関わる業者の補助が目的なのだろうと思う。

でも、エコポイント対象が高額商品に限られてくると、国民の半数近くが買い控えているテレビ、デジタル化も足踏みになるだろうし、エコポイント対象とならない液晶テレビの販売もきつくなり、結局、テレビメーカーの低価格競争が起こるだろう。

判りづらい制度とたらい回し的な手間を求めるエコポイントって、全然エコじゃないよね、と思う。

まぁ、大画面液晶テレビが観られる環境が出来たからいいんだけれど。それにしても地デジとCATVで画面のサイズが統一感のないテレビ操作のややこしさもうんざりするけれども。

2010-04-01

ばたばた Noisily

書こうかなと思うことはぼちぼちあるけど、なんだか、ばたばたしていて、日記を書く暇がない。

年度替わり、制度変わり、季節変わり、気持ち変わり。

ゆとり確保の為に借りた「ひとつ屋根の下」のビデオも、ばたばた、落ち着いて観られなく、それもまたストレスに。

のどかな春を望みはするけど、春はカスミの季節かな。