2007-02-14

グアンタナモ guantanamo

グアンタナモ

映画『グアンタナモ、僕達が見た真実』
観てきた。

アメリカの民主主義のでたらめさは1920年代のアメリカ史上最大の汚点と言われ続けられている「サコ&バンゼッティ事件」から何も変わらずにいるのだろう。

「サコ&バンゼッティ事件」はイタリア移民として堅実に働いていた二人が冤罪に巻き込まれ、一方的な立証で死刑になった話で、あのフォークの神様、ウディ・ガスリーもレコードに吹き込んでいる

そして、ベトナム戦時下、『死刑台のメロディ』として映画化され、ジョン・バエズが劇中死刑になった二人に向けて、「勝利への讃歌」を高らかに歌い、鎮魂していた。

『グアンタナモ、僕達が見た真実』は9.11直後、世界貿易センタービルの敵討ちとして、シルクロードのクロスロード、アフガニスタンをアメリカが空爆した時、アルカイダの一員の嫌疑をかけられ、キューバ、グアンタナモ収容所で気も狂わんばかりの拷問に耐え続けた在英パキスタンの若者たちの実話。

それでもボクはやっていない』のような良質の人権擁護映画がせっかく生まれたのに、痴漢冤罪という狭い枠でしか観られていないような日本において、これらの人権擁護がどこまで理解されるか気にかかるけれど、単に戦争の裏側を描いた映画などではけしてない。

ただし、尋問される側の人権擁護のみを描き、管理社会の手先にならざる終えない収容所に詰めるアメリカ兵の感覚麻痺という人権擁護を描けていないのは残念に思う。

人を物以下に扱い、虐待するのが役目の彼らの社会復帰は尋問される側と同様に困難なものであろう。

職務全うという綺麗事で人間のナチュラルな感覚を破壊する事。これもまた人権無視なのだから。

玉石混合ではあるけれど、韓国映画『もし、あなたなら 6つの視線』が人権とは何かを教えてくれると思う。

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