森崎東監督のデビュー作『喜劇 女は度胸』(1969年作品)は倍賞美津子のデビュー作でもあり、当時売れっ子の渥美清と清川虹子の共演場面がスケジュール上どうしても都合が合わずに、合成を使わずに撮影に工夫された作品。
物語は清川虹子母さんがどっかり腰据えたお話。
「女はご飯と一緒に涙を飲み込むもの。男は酒と一緒に涙を飲み込むもの」
家族崩壊、核家族化の始まり、フォークが流行り、女達が「私も人間」と声高に語り始めた時、古い女は出ていく子供らを見送り、酔いつぶれた駄目亭主に布団を被せる。
「あぁ、私は豚だよ。」
「豚にしたのは誰だい!」
「汚れた物は元には戻らないのさ」
ウーマンリブで自由勝ち得た女達は古い女達を振り返ったのでしょうかね?
女の職場の親睦会役員の中の黒一点。
一年の総まとめ、総会を終え、出来れば専業主婦でいたいお母さんたちのパート労働の居場所確保にお付き合いしてきて、ふと、この映画を思い出す。
『産む機械』に専念も出来ず、共稼ぎの上に、産んだ子供は学歴社会の受験戦争。
「汚れた物は元には戻らないのさ」
キャリアウーマンにもならず、パート労働一筋に生き、夫や子供の面倒が片手間になる事を詫び続ける女たちの酒盛りは続く。
- 森崎東 映画データベース
- Ohmynews : パート労働一筋、「女は度胸」
『産む機械』に専念も出来ない女たち
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