親の仕送りが止まり、気がつけば、大学は除籍、住まいは帰宅したら鍵が使えずにネットカフェ難民。チャラい大学生がいきなり放り出される貧困生活は底なしの貧困ビジネスの格好の標的。
就労も生活保護にもなれないホームレス。税金と称してピンハネされる日雇い賃金。高額の治療の臨床試験「治験」。身なりで疑う警察官。華麗なホストクラブの闇社会。技術も何もない肉体だけが売り物の土木作業員。わずかな手取りに群がる中間搾取はどこへ行ってもつきまとう。
貧困は搾り取れる。格差社会の勝ち組はどれだけ人から金を搾り取れるか。
主人公が馬鹿がつくほどのお人好しで呆れるが、この国の底なしの強欲は恐ろしい。
捕まれば死刑の中国に売人として飛ばされた男は原発労働者と読み替えてもおかしくないだろう。
立ち直るプログラムがないこの国は誰でも簡単に落ちて行く。巻き添え増やす仕組みは震災とそっくり。辛辣な物語も拍子抜けの終わり方だけど、底なし地獄がこの国にはあるんだよな。
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