年々増えていると言われる息子が親の介護をする「息子介護」。親の介護に専念しなければならずに離職する人が毎年10万人。現実を突きつけられ、介護殺人を犯してしまう3割が「息子介護」というデータがあるようで、この映画は「息子介護」を自身、親の介護をしながらもルポルタージュする男性を中心に描かれる。
アルツハイマーになった母は自分を息子と判らなくなったショック。おむつ替えで親の性器を見せられるショック。カルチャーショックの連続と親の年金頼りで暮らさなきゃならない現実。
親との生活だけの社会から隔絶された暮らしは「介護疲れ」からの殺人に陥る危険もはらみ、実際母親を殺した息子さんの話も映画では出てくる。
ルポルタージュした「息子介護」でアルツハイマーの父親を介護する人の暮らしも描かれ、父親の介護と母親の介護の苦労の違いが自ずと見えてくる。
介護サービスの充実も人手不足で四六時中手がかかる重傷の老人は預かるところもなく、結局「息子介護」にならざる得ない現実。
そんな環境下で必死で生きる息子達の笑いは切実なものがあり、介護していた親が亡くなった時の無念さに号泣する姿は自然と共感する。
「頑張れるんだから頑張れ」逃げ場のない息子達の悲鳴が切ない。
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