2014-10-06

1973年のクーデターから始まったチリのピノチェト独裁政権。国際批判が強まった1988年、ピノチェトの任期延長の是非を問う国民投票の実施が決まるが、ノー派に与えられたのは深夜の15分間のテレビ放送のみ。この映画は若き広告マンが恐怖政治と闘い、コマーシャル感覚が政治を変えた物語。

チリのピノチェト独裁政権の話は何本も映画化されており、有名ではあり、その終焉を描いたこの作品は政治運動のあり方を描いた点でも大変面白かったが、当時の色があせたテレビ映像と同じ色調で作られた映画映像がやはり凄い。

独裁政権の残虐さを訴えるべきと語る左翼幹部の頭の固さと広告マンの斬新なコマーシャル感覚での世論アピール、メディアの力の勝利とそれに対する恐怖政治の圧力、そして軍部の提言による独裁政治の終了。その時代を映画は映し出す。

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