2015-08-14

日本のいちばん長い日 The Emperor in August

8月14日、70年前の今日、日本はポツダム宣言を受諾した。

岡本喜八監督作品は昭和20年の8月14日から15日の日本の動乱を描いていたけど、今回の作品は英題の「The Emperor in August」にあるように天皇の八月を描かれている。

前作ではあまり描かれなかった天皇の八月を描いたのは天皇の戦争責任を匂わすものにもなっていて、興味深かったけど、阿南陸軍大臣、鈴木貫太郎総理の板挟みはともかく、青年将校達の叛乱が畑中健二に集約されているのが何か単独行動的に描かれているようで納得いかない。

岡本喜八監督作品は群衆劇として、日本のいちばん長い日を捉えていたけど、個々人の板挟み状態しか描かれない今作は、敗戦前夜の群集心理が出てこないだけつまらなかった。

陸軍官僚が青年将校達を煽ったという見方もあり、そこら辺の権力闘争が出てこないのも原田眞人らしくないなとも思う。

官僚国家の方向転換の時、それは赤字国債の問題を先送りにしている今の日本で近い将来起こる、日本のいちばん長い日、だろうと思ったりもした。

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