「その街のこども 劇場版」の森山未来が主役という事で、きわものCMでPRする映画「モテキ」を意を決して観に行った。
草食系の「金なし、夢なし、彼女なし」の30男が繰り広げるモテ期時代のラブコメディ。
森山未来のぼやきつぶやきが電光掲示や道路の落書きに流れるオープニングからダンスあり、カラオケ風映像ありのはちゃめちゃな前半は飛ばしまくりの新感覚で、ただこの調子がずっと続いて映画として持つのかの不安も、主軸の長澤まさみとのラブロマンスにじっくり持ち込んだのが成功で破綻きたすことなく、なかなか面白かった。
サブカルチャー文化の今をうまく取り入れ、カラオケ字幕やらネット取材やら、バイトに毛に生えた程度のワーキングプアな青年と世間を知ったかぶりのネット業界、音楽業界の連中、そして、満たされない愛の迷い子の女の子たちと、今の社会を詰め込んで、テレビ版で初体験を済ましたセカンド童貞が見せてくれる今時。
知ったかぶりより「判んねぇよ」という格好悪さの方が格好いい、そんな物語がなんか爽快。
もっとハチャメチャにという欲もあるけど、今時のサブカルチャー文化をもじったエンディングタイトルは映画の心地よさを思い返してくれる。
これが俺等の生きる時代。みんな生きてるかぁ、そんな元気をくれる映画だった。