2008-05-06

ばらまき福祉から From the distribution welfare

新聞を取っていないので、広報を見て、札幌市の障がい者交通費助成制度の見直し案が出ているのを知った。

現在、障がい等級、障がい種別によって「きめ細かく」定められていたものが、「見直しする理由」にて、「障がいの種別や等級によって助成内容が異なり、制度を複雑にしているばかりでなく、不公平感がある」として、「3障がい共通の制度として再構築し、分かりやすい仕組みにする」としている。

改定案では重度の障がいを持った人たちがチケットがなくなったら取りに行かなければならない肉体的労力を軽減させるべく提供されている「福祉乗車券」を廃止して、軽度障がいと同じくチケットを貰いに行くように代わり、公共交通機関の利用が困難という理由から支給されていたはずのタクシー券・ガソリン券を「等級の低い方も選択できるようにする」らしい。

また、公共交通機関の平均的な利用回数が週3回程度という利用状況のアンケートから、その外出に要する交通費の半分程度の利用額を支給するとされている。

つまりは今まで利用実績に関係なしに交通費が支給されていたのを市の財政が厳しくなったから、利用状況のアンケートを取ったとも読めるわけで、障がい者の実態を把握するはずの障がい福祉課のずさんな支給のばらまきがあったから、市の財政が厳しくなったと見る事は出来るのではないだろうか。

「利用者の増加に伴い」とされているけれども、何故、利用者が増加したのか、今後、利用者の増加はどうなのかが示されないまま、財政圧迫のみを訴えているようにしか思えない。

問題なのは、重度障がいの方々に提供されている「福祉乗車券」が利用見込みとして一律に交通機関に支払われる金額であるのだろうから、重度障がいの方々の移動頻度を調査し、「福祉乗車券」の単価の見直しを交通機関とするべきなのに、利用者側の問題にすり替えてしまっていないだろうか?

現行の支給額にしても福祉割引ウィズユーカードが年に264,000円とあるけれども、月一回区役所福祉課で支給される時、使い切ったウィズユーカードの提示を求められ、貰える枚数は1000円券10枚1万円相当、一年26ヶ月あるなら別だけれど、どう計算しても12万円にしかならないはず。

「ご意見をお寄せください」として広報しているので、教えてあげた方がいいと思う。

弱者切り捨ての後は行政合理化が待っている事を。

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