2010-05-23

レクイエム Requiem

岡林信康のZepp全国ツアーの札幌を友だちと観に行ってきた。

もう何度となく札幌に来るたびに足を運んでいる岡林信康コンサートだけに、友だちと今日にどんな内容になるのか、予想を話し合いながら、開場を待ち続けた。

美空ひばりのカバーアルバムを出したから、おそらくそこから多く歌うんじゃないかの予想通り、6曲、美空ひばりに絡む曲を歌われ、氏自身のフォークソング、和楽器等中心のエンヤトットの曲と共に楽しませてくれた。

ひばりさんがごくごく普通の女性でありたいと願う気持ちと歌謡界の女王として頑張らなきゃならないという願いとの葛藤が、岡林信康にひとつの詩に曲をつけて欲しいと託されたものを、どう曲付けしたらいいのか思い悩むまま、今日まで来て、何となくひばりさんの気持ちが理解出来るようになったとして曲をつけた歌が「麦畑のひばり」だという。

どこまでも高く高く跳び続けようとする一番の歌詞に続く、このまま跳び続けて、どこに行くのだろう、もしかしたら死がそこにあるのかも知れないと思いつつ、跳び続けるという二番の歌詞は、ひばりさん自身の晩年の予知でもあっただろうし、今の経済成長の末の様々な不安を抱える日本なのかも知れない。

美空ひばりさんへの「レクイエム」の後、岡林信康は和楽器演奏中心の祭囃子に開場を誘い、生きる楽しみを聴かせてくれた。

闘病の年越しを過ごしたせいだろうか、岡林信康の生の音楽に触れられる嬉しさなのか、涙ぐみながら、コンサートを聴き続けた。

果てなく高き青空
私は見上げる
麦畑に吹く風の音
お前は見えない はるかなひばりよ
愛しのひばりよ

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