「"郷愁"という言葉 この言葉を紡ぎ出した人よ
初めて呟いたその時 涙を流したことでしょう」
第二次大戦が終わり、ポルトガルからアメリカに渡った若者は大航海時代の偉人に夢を馳せ、今日に至るまでその偉人の過ごした土地を歩き回る。
100歳を超えてなお、世界で最高齢の現役映画監督であるポルトガルの巨匠 マノエル・デ・オリヴェイラが描く映画は忘れ去られた国の誇りを語りつつ、大航海を余儀なくされた人々へのレクイエムであるかのように穏やかな映画であった。
コロンブスの過ごした土地を尋ね歩く若者の背景には、戦後という名の戦争があり、年老いて再び訪れたニューヨークは9.13の傷跡がある。
彷徨う者の前にある海はどこでも変わらず、波打ち寄せる。
失われた時を求めて、人は"郷愁"に涙するのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿