ゼロックスのセミナーで、「ユニバーサル・デザイン」を取り上げるというので、聴きに行ってきた。
FONTWORKSの方のお話だったので、「ユニバーサル・デザイン」の本筋のお話は聞けないかなと思っていたら、本筋をしっかり押さえた話だったので、非常に感銘を覚えた。
このセミナーでは、ゼロックスと云うこともあり、印刷の「ユニバーサル・デザイン」の話だったけれども、色覚の「カラー・ユニバーサル・デザイン」の話や字体の大きさでの印象度の違い、遠くからでも濁音と半濁音の区別が出来る交通案内板の話など、どんな状況下に置かれても情報が判る工夫のお話は大変参考になった。
障がいを持った人が社会参加していく上でのバリアを取り除く「バリアフリー」から、どんな境遇の人たちも共に暮らせる「ノーマライゼーション」、病気療養の方や障がいを持った方達の介助用品として開発されたウォシュレットやシャンプー、リンスの区別をつきやすくする工夫が一般商品として流通している「共用品」、そして、誰もが使えるデザインの「ユニバーサル・デザイン」に利用可能にするノウハウの「アクセシビリティ」と、棲み分けの時代から共存の時代への模索が、サービス業界でなされていることに嬉しく思う。
別なセミナーで聴かされた日本の福祉、教育の場では、フランス、ミッテラン大統領が移民対策として掲げた性別、障がい、民族の垣根を取り払う「ソーシャルインクルージョン」を、当事者同士の垣根をなくすものと解釈し、実践されているという本末転倒ぶりに唖然としてしまうのだけど。
日本人もアメリカに行けば、言語障がい者。そんな発想を出来ない部落社会で、「ユニバーサル・デザイン」はどのように浸透していくのだろうか。
国民の3人にひとりが加齢障がい者になる日も間近なのだから。
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