浅田次郎の「五郎治殿御始末」に収録された短編小説の映画化で、桜田門外の変で井伊直弼大老を守れなかった男と殺した男の13年後の出逢いを描いた作品。
ネットの評価が高く期待して観に行ったけど、淡々と描かれる二人の生き様が情感を求められるだけに、役者の力量が求められる分、物足りなかった。
それは本題の志村金吾と佐橋十兵衛のやりとりだけではなく、例えば金の返済を迫られた男に加勢する元武士の話などにも情感が足りなく筋通りの絵にしかなっていない、そんな感じが残る。
役者たちも力まずいい芝居をしているけれど、何か物足りない。それは屈辱と後悔に生きた13年の時間を背負う男二人の情感が描かれているかどうかなんだと思う。