2014-09-22

イーダ Ida

モノクロで、スタンダードの画面が昔のポーランド映画を思い起こさせ、孤児イーダの出生の秘密が描かれる。

何故生きられたかの前半とどう生きるかの後半。

戦時中のユダヤ人狩りで生き延びたことを知る前半は簡潔明快で素晴らしい。しかし、後半、一緒に旅した叔母の死から始まるどう生きるべきかは、簡潔故に作り手の意図が不明確になった感じがし、不満が残る。

歴史に翻弄されたポーランドで生きるユダヤ人たち。そこにはかくまいながらも迫害しなければならないポーランド人たちがいたことは判るけど、戦後のイデオロギーが二転三転する時代でのユダヤ人の立場が観ている側につかめないもどかしさがあるからだろう。

二つの大国に挟まれ、アウシュビッツがあった国のユダヤ人の苦悩は語り継ぐべきものなだけに。

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