前作「劔岳 点の記」が型どおりの作品で面白くもおかしくもなかったので、そんなに期待しないで観たのだが、なかなかの出来で満喫した。
このところ、殺伐とした話を劇画チックに見せる日本映画を見続けてきたせいかもしれないけど、オーソドックスな作りで自然と人間を捉えたこの作品はなかなかの感銘もの。
「君は荷物と喧嘩している」父の死で父が営んでいた山小屋経営を引き継ぐため脱サラを決め、山に荷物を運ぶ時、60kgを越える荷物を担ぐ姿にベテランの山登りから云われる言葉。それは自然と人間の関わり方でもあり、人間同士の関わり方でもある。
60kg。それは山で動けなくなった人を担ぐ重さ。
語られる台詞の所々は説教くさいものも多くあるけど、立山から眺める景色と人間たちのドラマは自然の中で生きる人間たちを見せてくれる。
自然の中で生きるあこがれある僕としては立山から眺める景色が観終えてなお心に残る。
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