夫の不倫、逆上する妻、とばっちりに去勢される息子。キム・ギドク監督の新作は全編セリフなしの輪廻劇。
セリフがない状況に不自然さも感じられるけど、無理に語られるセリフより無言の方が自然な場面もあり、キム・ギドクの実験性は面白く感じられた。
この家族の「出来事」が不倫相手に広がり、去勢される息子にわびる父の話となり、妻の帰宅となる。
とばっちりがメビウスの輪のごとく表と裏が繋がっていく。
キム・ギドクの仏教理念が重なる物語のラストは少し拍子抜けもするけど、まずは面白く観られた。
父が息子と繋がろうとする時にネット検索する場面、英語での検索に対訳の字幕もなく、その部分が判りにくくなった気もするけど、配給会社は何故字幕をつけなかったのだろう。その点がひとつ残念に思えたのだが。
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