北野武監督の作るコメディ映画ということで、過去のコメディ作品のベタ振りが印象に強く、心配だったけど、それを裏切るスマッシュヒットの傑作。久々映画を観て笑った。
シネコン側もヒットしないというジンクスのある北野作品だからか、公開最初の週なのに小さい劇場からのスタートが想定外の超満員。いつもなら誰も座っていないスクリーン間近の席列もびっしりで、のんびり観たい僕としては隣席でカップのジュースを飲むおばちゃん二人連れがなんとなくうっとうしい。
映画は北野武らしいベタなギャグを藤竜也がとぼけ味で演じるから笑え、高齢者やくざの面々もそれぞれいい味を出していた。
北野映画の常連がそれぞれうまい突っ込みを入れ、高齢者やくざとブラック企業の仁義なき戦いが進むのもダレが来ない。
「金無し、先無し、怖いもの無し!俺たちに明日なんかいらない」
映画が終わった後、劇場から出てくる人並みを見渡せば、暇もてあましの団塊の世代が大半。若者受けを狙った「寄生獣 完結編」より混んでるのは当たり前の話で、映画の最中の客席の笑いもおじさん、おばさんらしい笑いだった気もする。
不気味な役が似合ってきた安田顕とか、芸達者が揃い、どぎついブラックジョークもあり、最後はシニカルで終わる。キタノタケシワールド最新作。楽しめました。