三姉妹の家に腹違いの妹が一緒に暮らし始めた。それだけの話を描いた是枝裕和監督の新作。
自分たちを棄てた父の葬儀から始まり、祖母の法要、そして隣人の葬儀が描かれる物語は人の立ち位置を見据えた映画のように思う。
腹違いの妹から見えてくるもの、それは自分との類似性であったり、自分との共通認識だったりする一方、家族が家族でいられる時間の短さとその大切。そんなものが詰まっているような感じで。
それは腹違いの妹を取り巻く中学の友人達の描写が相米慎二監督の作品を思わせたり、家族の描写が小津安二郎監督の作品を思わせるところに、是枝裕和ならの日本に対するオマージュがあるのだろう。
けど、その日常の積み重ねから見えるものがダイレクトに伝わらない気もしていて、それだけの話になってはいないか。前作「そして父になる」でもなんとなくで終わらせた手法で、なんとなくのドラマを終わらせたから、なんとなく物足りない感じが残る。そんな映画になった気がする。
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