「そこのみにて光輝く」の呉美保監督の新作で、中脇初枝の同名短編小説集の映画化。
昨今の子育て事情の複雑さを、小学校の新米教師の話と単身赴任の夫の留守宅で娘と暮らす女性の話、そして、孤立老人と発達障害の子の交流の話を同時進行で描かれる。
児童虐待、いじめ、モンスターペアレント、発達障害。親と子供が一騎打ちになるような環境に生きる現代の子育て事情が淡々と描かれ、子育てにとっての大切な環境を感じさせてくれる。
夫の留守宅で娘と暮らす女性が子供の頃、親に虐待を受けていた話では、その友人を演じる池脇千鶴の好演もあり、「親も抱きしめられたい」状況が共感できる。
小学校の新米教師の話で描かれる小学4年生の子供達を見ていると、母が乳癌でなくした乳房の傷を見せられ、母が奪われるようで抱きついた自分の小学4年生の時を思い出した。
子供から大人のなる年頃、そんな歳だったなと思いもし、大人のずるさを身につける年頃でもあるんだよなと。
「きみはいい子」大人も子供もそれを欲しがっているんだよね。
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