2015-12-16

母と暮せば Living with My Mother

このところ吉永小百合主演の新作はチェックする気はないけど、観ている。

で、今年の作品。山田洋次監督の「母と暮せば」

黒木和雄の名作「父と暮せば」と混同しそうなタイトル名は中身も原爆で亡くなった身内との交信という内容だから紛らわしいし、自ずと見比べられるだろうな。

映画の内容はというと、二宮和也の独白のような台詞が多く、その独白で戦時中のこの家庭の想い出が描かれるからなんか演劇的。

吉永小百合の生き残った母のドラマもそれほど描かれず、原爆で死んだ二宮が現れるのを心待ちにし、消えないでくれと願う、その辺の哀感はあるものの全体的な膨らみはあまりない。

死者と生き残りの交信がメインで描かれながらも、周りの人間達との交流もきちんと行われており、残された母の家が中心の舞台劇をそのまま映画にした方が膨らんだろうにと思えてしまう。

後半の死ぬ幸福も判るけど、これは山田洋次の今の思いと重なっていると観た方がいいのかなと思ったり。

生き残る者へのメッセージ。そんなものを僕は期待していたのかも知れないけど。

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