2015-12-24

独裁者と小さな孫 The President

久々の日本劇場公開のイランの巨匠・モフセン・マフマルバフ作品。

とある国の大統領は独裁者としてクーデターで地位を奪われ、小さな孫と逃亡生活を送る。

始まりから逃亡生活に入るまでは寓話的な語り口で、逃亡生活に入ってからはシリアスな庶民のドラマとの遭遇という語り口に変わるため、少し戸惑うけれども、シリアスな庶民のドラマがどんどん過酷になって行くにしたがい、物語は深みを増す。

独裁者でありながら、優しい祖父であり、ごく普通の傲慢な庶民と何ら変わらない。ただ逃げ延びたい爺さんという設定も戸惑わせる要因かと思うけど、逃亡のロードムービーは彼の行った圧政の報いを彼に浴びせかける。

貧しい床屋、若い頃に遊んだ娼婦、無法地帯に化した国、テロリスト達、過酷さを描き始めるとマフマルバフの映像は光り輝く。

名作「サイクリスト」「カンダハール」を思い起こさせるドラマは独裁政権を支えた国民の罪にまで及ぶ。

全体主義への警告、「ヒトラー暗殺、13分の誤算」とこの作品の訴えたいことは同じ事なのだろう。

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