2008-10-24

僕はひとりで旅をしたよ I traveled alone.

「イン・トゥ・ザ・ワイルド」を観てきた。

前評判に期待していた分、肩すかしを食らった感じがいがめない。

描かれた人物が実在の人物で、ひとり旅して、アラスカで亡くなった時に、自然に対する無知ぶりがバッシングされたというけれど、映画は主人公が自然の恐怖を味わう場面をさらりと描くのみで、主人公がHappyな場面を追い続ける。

無批判に描き続け、延々と語られる妹の独白をよそに、違法行為も冒険話のように描かれ、死ぬ間際、遺言にて、「幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時」と語られる時には主人公のHappyぶりが愚かに思えてくる。

ひとり旅の中での孤独との闘いを描いた堀江謙一の劇映画「太平洋ひとりぼっち」のような描写もなく、旅の途中であった人たちとのエピソードを連ねただけのこの映画は、バッシングされた主役のモデル同様、自然に対して無知でしかないような気がする。

様々な場面で自然の報復が現実味帯びる今日、食べられない毒性ある草を食べ、物質文明の飽食エリートたちもこの主人公のように死ぬのかも知れない。

その時、エリートたちはこう云うだろう。「僕はひとりで旅をしたよ」と。

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