2009-03-07

香港ノワール Honkon Film noir

ひどい雨風の中、今週の休日も役所と映画館巡りをした。

役所は年度末の福祉乗車券の更新だけど、これで何度も足を運ばなければならなかったお役所参拝はやっと終わり。

映画の方はまずは名画座・蠍座にいじめクラスに転任してきた吃音教師の映画『青い鳥』を観に行く。これは感想は長くなりそうなので、後ほど。

その後、ちょうど時間が間に合いそうだったので、ミニシアター・シアター・キノへ香港ノワールの『エグザイル/絆』を観に行ってきた。

久々の娯楽映画。幼なじみの5人組が世間のしがらみを逃れようとあがき、最後はそのしがらみと一騎打ちで殺し合う。

昨年のキネ旬のベスト10にノミネートされ、アメリカでリメイクもされるというこの作品、中身も知らずに観たくて観に行き、その面白さに確かにはまった。

金のために人を殺す奴と仲間のために人を殺す奴。この単純な構造を一枚のセピア色の幼なじみの5人組の写真だけで物語り、殺戮場面が繰り広げられる。

帰宅後、映画批評のサイトで監督のフィルモグラフィを調べてみると、香港の二枚目俳優、アンディ・ラウが肉襦袢を着て、マッチョな男性ストリッパーを演じた痛快アクション『マッスルモンク』を作ったジョニー・トゥだった。

マッスルモンク』でもそうだったけれど、『エグザイル/絆』でもそこに転がる空き缶が蹴り飛ばされ、宙を舞う、場面のイミテーションにCGが使われ、本筋を盛り立てる工夫があり、「かっこういい!」とうなってしまう。

映画批評のサイトでも書かれていたけれども、日本のジャパニーズ・マフィアもの(やくざ映画、Vシネマ)は男性客が多くて、海外のフィルム・ノワールは女性客が多いというのは、もしかするとこのイミテーション的な遊びのゆとりがあるかないか何じゃないだろうか。

そういや、アカデミー賞外国映画部門で受賞した『おくりびと』などもテーマ主義に陥らず、映画のシークエンスを楽しみながら作られていたっけ。

はかない時を楽しむ香港ノワールの人気はそんなところにあるのかも知れない。

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