2010-10-05

デリケート delicate

銭湯で、何かの後遺症を持つお爺ちゃんが、店員のおばちゃんに、このところの日中の気温差が激しい状況に「俺はデリケートだから、きつい」と喋っていた。

そうだよね。人間はデリケートな生き物だよね。無粋な「障がい」云々というより、デリケートという方が、ナチュラルだよね。

今、読んでいる重松清インタビュー集「教育とはなんだ」で、学校は、「元気で朗らか」でなければならない場所で、教師が教壇に立つと判らないは禁じられ、障がいを持った生徒は社会的に認められつつあるものの、病弱な生徒に対する対応はほとんど皆無で、「保健室登校」は嫌われるらしく、一息つけるレストルームの必要性が語られている箇所がある。

元々、日本は風情を重んじる国であるはずなのに、近代化象徴であった学校は「元気で朗らか」という生き物感覚を失った社会適応のみを重んじるところだったのかと思っている。

そんな教育を受けて、育った社会だから、「元気で朗らか」が重宝され、障がい者、病弱者、高齢者への配慮が苦手な世の中なのだろう。

「俺はデリケートだから」人権宣言って、案外こんなところにあるのかも知れない。

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