2011-02-19

JRAディープ・インサイド The deep inside of JRA

図書館にて、「JRAディープ・インサイド 知られざる「競馬主催者」の素顔」なる本を借りて、読んでいるのだけれど、JRA(日本中央競馬会)の組織から浮かび上がる「閉鎖性」「国際化への遅れ」が、競馬ファンの伸び悩みを招いているその現状が、日本の現状をシンボリックに現しているようで、とても面白い。

「上から目線」の日本のビジネス代表のような「競馬法」はギャンブルを忌み嫌う日本の世相の中、畜産振興という名目で、「競馬」を国が認めたギャンブルとし、ギャンブルであるからには不正が起きないように顧客である競馬ファンを「見張る」システムを作り上げたとする競馬コラムニストたちの話の序論から、「競馬主催者」であるJRAの職員へのインタビューへとなだれ込む所なのだけど、「上から目線」の日本のビジネスって、JRAに限らずそうだよなと思ってしまった。

売り上げ不振にあえぐJRAはそれでも売上高では世界トップというのに、肥大化したシステムが足かせとなり、競馬ファンへのサービスを削減し、ネット売り上げへとシフトさせようとしているようだ。

いつまで経っても「上から目線」の論理から抜け出せず、苦労して作り上げた競馬ファンへのサービス、地域との信頼関係を壊してしまえば、「ネット」という更なる「閉鎖性」に埋没するだけだろう。

JRAディープ・インサイド 知られざる「競馬主催者」の素顔」は発刊からすでに8年の時間が経っているけれども、環境悪化の進む日本経済の中での問題点を読んでいるようで面白い。

「優秀な人材」であるがゆえに「閉鎖的」になってしまい、デフレスパイラルにどんどんはまっていくJRAの発想の転換は案外、日本の発想の転換と同じなのかも知れない。

「国際化」とは「ファンの声」を聴く事。「JRAディープ・インサイド 知られざる「競馬主催者」の素顔」に書かれているスタンスは正しいと思う。

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