「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が故郷シチリア島のバーリアを舞台に、ひとりの男の人生と共に歩む人生讃歌。
第二次世界大戦前のファシズム政権下から、敗戦、進駐軍の進行、王政か民主制かでもめる独立期、マフィアの台頭、今に至るまでの貧しい土地、シチリア島の変遷をにぎやかに「貧者の祭り」と描くジュゼッペ・トルナトーレ監督はおそらく自分の人生の始まりの土地への誇りであるんだろうと感じた。
名作には至らない佳作だろうけど、イタリアの猥雑で下世話な世界が妙に懐かしく、2時間半の長丁場、シチリア人のしたたかさを堪能した。
ちょうど読み始めたボルヘスの『永遠の歴史』の序文に書かれた「未来も過去も全ては(それを思う)現在である」のテーゼに従えば、現在を生き抜いた人々の物語、それが「シチリア!シチリア!」だろう。
未来や過去に憧れ生きるより現在を生き抜く方が愉しいに決まっているのだから。
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