密会していた彼氏と今年はもう逢う事はないと嘆くこの詞の作者、朱淑真は粗野で俗物な夫との結婚が不本意で、愛人との逢瀬の情を詞にしたためた。
不埒なこの詞は人の性(さが)を描き、千年後の今日にも歌い継がれている。
「正しさ」を競う今の無数の文章で、この詞のように千年後も読み継がれるものはあるだろうか?
千年の愉楽は道徳ではなく、人が描けているかどうか何じゃないだろうか?
残念ながら、テレサ・テンの歌のYoutube動画はないみたいです。
去年元夜時,花市燈如畫。
月上柳梢頭,人約黄昏後。今年元夜時,月與燈依舊。
不見去年人,涙滿春衫袖。
去年の元宵節、旧暦正月十五日で、その年の最初の満月の夜、
花の市の灯籠は昼のように明るかった。
柳の梢の頭の上に月はのぼり、
黄昏の後、暗くなってから彼と秘かに逢う待ち合わせの約束をしていた。
今年の元宵節の夜、月も灯籠も去年と変わる事はない。
けれど、去年の彼にはもう逢う事はない、
正月の晴れ着の袖は、涙で濡れてしまった。
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