妻ある人を想い慕ったラブ・ソングは、後にその妻に知られ、その想いを許され、妾として迎え入れられたという。
歌人の思いが叶ったのか、妻が夫の浮気封じに講じた策なのかとゲスの勘ぐりをいれてしまうし、愛人と妻の想いに翻弄される男が滑稽に思えてくるけど、「尋好夢、夢難成」(あなたの夢を見たいけれども、その夢すらなかなか見られずにかなわない)とまで唱われる男はやはり男冥利に尽きるとも思う。
そこまで思われる男とは、私欲でしか動かない男なんかじゃないのかも知れない。
この詞を読み、愛人を迎え入れた妻はそこまで想われる夫を誇りにしたから、愛人を迎え入れたのだろうし。
安っぽいインスタント・ラブの時代には判りにくい事なのだろう。
玉慘花愁出鳳城、蓮花樓下柳青青。
樽前一唱陽關曲、別箇人人第五程。尋好夢、夢難成、有誰知我此時情。
枕前淚共階前雨、隔個窗兒滴到明。
王の飾りの艶も失せ、花も愁う時、あなたは城を離れる。
蓮の花や楼の下の柳も青々としている
酒の樽を前に別れの「陽関曲」を私が唱ったあの人は遥か彼方
あなたの夢を見たいけれども、その夢すらなかなか見られずにかなわない
誰が分かってくれるだろうか、私のこの心を
枕に流す我が涙、降りしきる春の雨
窓を隔てて共に夜を明かすまで流れ続ける
1 件のコメント:
Very good posting.
Congratulations!!!
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