2008-09-24

臙脂涙 woman's tears

淡淡幽情』で三曲唱われている南唐の王、李りくの幽閉後の詩の一編で、季節の流れと女性の涙を重ね合わせ、「人生とは心残りが付き物」と唱った詞。

「悔いのない人生」が美徳とされるがむしゃらさも人生につまずく事で、見失っていたものが見えてくる事もある。

ゆとりとはそんなものなのかも知れない。

林花謝了春紅,太匆匆。
無奈朝來寒雨晩來風。

臙脂涙,留人醉,幾時重。
自是人生長恨 水長東。

春を彩った花たちも散ってしまい、
季節の移り変わりは慌ただしく過ぎていく。
どうする事も出来ない、毎朝の冷たい雨と夜ごと吹く風。

化粧をも落とす女の涙は、人を留めて酔わせてしまう、
このような情景にいつまた逢えるだろう。
人生とはこのようなものかも知れない、
心残りとて、河の水とともに東へと流れるのだから。

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