国を滅ぼされ、囚われの身となった歌人が「亡国の足音」を嘆く歌は、好きな人に想いを馳せるように国を恋い慕う。
そんな歌の数々を聴き、嫉妬に狂う侵略国の王はこの歌人を毒殺する。
そんな秘話がある歌を返還問題が騒がれた時代の香港でテレサ・テンはアルバム『淡淡幽情』の一曲として歌った。
無言獨上西樓 月如鈎 寂寞梧桐 深院鎖清秋
剪不断 理還亂 是離愁 別有一番滋味在心頭
黙ってひとり西楼に登り、かぎのような三日月を眺める
奥深い庭の中に一本のアオギリが寂しげに立ち
まるで清々しい秋を閉じこめてしまったようだ
切ろうとしても断ち切れない、鎮めようとすればするほど乱れる
それは何か?それは別れの憂い悲しみ
そして、心の中にはもうひとつまったく違う味わいが残ること
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