年明けからのマイ・ブーム、長谷川きよしもどんどんはまり、現在入手可能なものを聴きたくて、2002年に出された「ふるいみらい」と1979年発売の地中海の村々でライブ録音した「遠く離れたおまえに」を購入し、繰り返し聴いている。
まずは「ふるいみらい」のお話を。
組み木絵という手触りのある素材で作られた絵本の作家である中村道雄さんが、中山千夏さんが綴ったAからZまでのアルファベットから連想される言葉をモチーフにした詩を本にした「組み木絵本 ふるいみらい」という作品があるそうで、その中から長谷川きよしさんが曲をつけた組曲をメインに、中原中也の詩に曲をつけたパートと本人の代表曲を歌うパートを始めと終わりに演奏した作品。
中原中也の詩に曲をつけたパートも趣深く、別な視点の「ふるいみらい」であるけれども、中山千夏さんの詩のものは、身の回りにある自然からあなたへのメッセージぽく、人もまた自然の一部というのをさりげなく感じさせてくれる。
「ANT あり」は見えすぎる世界から目を閉じる事で感じる触覚の世界の豊かさであり、「MOON つき」は月の明るさを街灯で判らない都会の子どもは可哀想であり、月の明るさを当たり前と思っている田舎の子どももまた自然の豊かさに気がつかず、可哀想と歌っている。
そんな忘れたものに気がついていく「ふるいみらい」の大切さ、そんなものを長谷川きよしは歌い、中村道雄さんは組み木絵本で伝えようとした。
「ふるいみらい」を忘れ、失った時、人は自分を見失うのかも知れない。
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