遠く離れて暮らすおまえに
こんな気持ちが解るだろうか
病んだ都会が田舎出の男たちを
やさしくつつんでくれるのを
地中海の海を隔てたスペイン、ギリシャと北アフリカのモロッコ、そこで暮らすジプシーの村々の人々を前に、長谷川きよしがギター一つで生録を試みた1979年作品の「遠く離れたおまえに」。
ラストソングとして歌われる表題曲に、地中海の村々で歌う長谷川きよしが故郷の都会で暮らす者たちへの想いが馳せてくる。
当時、一世風靡していた阿木燿子、宇崎竜童の「砂地獄」、「城壁を作ったのは、ただの人」というシンプルなメッセージが「らしい」中山千夏作詞の「城壁」、永遠の旅人らしく地中海に想いを馳せる永六輔作詞の「トレドの風」、それらの曲をジプシー・ギター、フラメンコ・ギターで歌う長谷川きよしはしっかり大地と向き合いながらも、その向こうにある日本を感じさせる。
世界が世界に恋いこがれ、世界を知ろうとした時代。
長谷川きよしの音楽と僕の出逢いも、彼が歌った南米のフォルクローレ「灰色の瞳」だった。
遠く離れて暮らすおまえに
こんな気持ちが解るだろうか
病んだ都会が田舎出の男たちを
やさしくつつんでくれるのを
やさしくつつんでくれる空間もなくなりつつある今、「あの時代」の音空間に触れる事が今の癒しになっている。
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