スターリン体制下のソビエトで、スターリンに反逆したために過酷な運命を生きる父と娘。巡り会おうとして、巡り会えずに、ナチスドイツとの戦場でそれぞれが出逢う苛烈な体験は、身動き取れないスターリン体制下でのナチズムとの闘いの実情を暴き出し、死なずに済んだはずの多くの民衆の歴史を描き出す。
前作である「太陽に灼かれて」未見で多くを語れないけど、監督、ニキータ・ミハルコフはソビエトという20世紀の時代を振り返る試みをしているのだろうと感じた。
ナチズムとの戦場の悲惨な状況を父と娘に巡礼させて、スターリン体制が民衆のためのものだったのか、ニキータ・ミハルコフは淡々と描き出す。
父と娘の物語はつなぎの話になり、互いに求め合う物語は終わることなく、映画は終わる。
20世紀という時代を振り返る時、その先に現在がある。
ニキータ・ミハルコフの観たソビエトという20世紀の時代、付き合って観ていきたい。
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