2012-09-28

プンサンケ Pungsan Dog

悲夢で主演女優を死なせかけ、映画を撮れなくなったキム・ギドク監督の脚本を助監督を務めていた新鋭チョン・ジェホンによる監督作。観に行きづらい時間の上映開始が組まれていて、あきらめかけていたけど、無理に時間のやり繰りつけて、レイトショー上映を観に行く。

南北朝鮮の休戦ラインを行き来する物言わぬ男が、脱北者の著名人の依頼を受け、恋人を「北」から連れて来るところから話は始まる。

そこに絡む韓国の情報員達と脱北者を殺そうとする北朝鮮の工作員が、「お前は北の犬か、南の犬か」と男を捕まえては拷問する。

キム・ギドク脚本の冷戦状況を見る視点は鋭く、時にコミカルに南北の争いが描かれ、韓国の情報員達と北朝鮮の工作員がひとつの部屋で憎しみ合う場面はブラックコメディのようだ。

なわばり意識が強まる今日、そのなわばり意識で泣く人々がいる主題が見事に描かれてもいたし。

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