吉田修一の原作の映画化で、モスクワ国際映画祭にて審査員特別賞を受賞した作品。
「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」「まほろ駅前多田便利軒」の大森立嗣監督作品ということで期待したが、少しがっかり。
男と女の話を事件に絡めて描く吉田修一のストーリーで、現在の話と過去の話が解き明かされていく物語構造を見せていく手法はうまく整理されているけど、大森立嗣監督の淡々と描く映像が男と女の話を更に重くしているようで、半ば退屈した。
脚本が悪いのかも知れないけど、神代辰巳や藤田敏八なんかだと男と女の深い話を傍観するようなそんな視点が重苦しい愛憎劇を軽く見せて、更に重く感じさせるうまさがあった。
出だしの凝ったカメラワークも途中からなくなっているし、大森立嗣監督、力みすぎたかなという気もする。
ただ、そのストレートな描き方が海外での評価になったのかなとも思ったり。
吉田修一原作は「パレード」のような軽やかさの中に毒がある見せ方の方が面白いと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿