古厩智之監督の新作というので、予備知識なしに観た。
ちょっとした見栄からひとり旅をする羽目になった高校生が見聞きする口やかましい小父さん、小母さんたちとの出逢い。
杉田かおるの採点小母さん、塚本晋也の中途半端小父さん、そして、イッセー尾形の口汚いトラック野郎が最高で、角替和枝の文句言わせない威圧感ある小母さんが駄目押しする。
そんな強気で生きている小父さん、小母さんたちが口にする「また、必ず会おう」という言葉が心に染みるロードムービー。
小父さん、小母さんたちの強がりの裏に隠れている弱さを知ることで若者は大人になるんだね。
田舎医者が末期癌のトラック野郎に「旅先で病院に担ぎ込まれる。地域の治療が必要な患者さんがこぼれ落ちる。迷惑ですよね?」という言葉は現代を生きる厳しさでもあるだろうし。