2013-09-09

共喰い The Backwater

2012年芥川賞受賞を受賞した田中慎弥の小説の映画化で、青山真治監督作品。

戦争で片手首を失った女とSEXの最中、女を殴る事でエクスタシーに達する男を父母に持った僕の話は昭和天皇が吐血した昭和の終わりを舞台に繰り広げられる。

親父と同じく女を殴る事でエクスタシーに達する性癖があるのではないかと自己嫌悪する僕は女を殴る事でエクスタシーに達する親父を嫌悪し、戦争で片手首を失い、別居している母の所に入り浸り、親父から逃げようと算段する同居の女に性欲を持つ。

芝居がかった演技をさせ、淡々と見せる演出は青山真治監督の得意とするところで、文脈読みをさせる。

親と同じ血。それが共喰いなのだろう。昭和という記号を使ったシナリオがその共喰いとうまく絡めばもっと面白くなった気もするけれど。

0 件のコメント: