アカデミー賞最有力候補との宣伝と「ペーパーボーイ 真夏の引力」のリー・ダニエルズ監督作品ということで観に行く。
7人の米国大統領に仕えた黒人執事の実話をベースにしたいう話は黒人執事の父と黒人の公民権運動に身を捧げた息子の物語であり、歴代大統領による黒人の公民権運動に対する政策を描くという試みが面白かった。
ブラック・パワーがエスカレートしていく1960年代、大統領に従順に仕えながらも弾圧される息子を心配し、それが大統領との葛藤になっていく。そんな複雑な心理状況がよく描かれていた。
キング牧師とマルコムXという両巨頭が現れた時代、映画はキング牧師に重きを置き、穏便ながらも譲らないブラック・パワーの歴史はやがて南アフリカのネルソン・マンデラ擁護の立場に繋がる。
第二次世界大戦後のブラック・パワーは白人戦死者による労働力不足から始まったと聞くが、同じくベトナム戦争後のスパニッシュ・パワーもまた過酷な闘いであり、米国の多民族化の歴史は米国の世界監視の歴史と表裏一体。後半の黒人初の大統領オバマで終わるブラック・ムーブメントのみで捉えるのは楽観的過ぎて違和感ある。
映画館の設備のせいなのか、フイルムそのものがそうなのかよく判らないけど、暗いトーンの映像は意図的なんだろうか?そこがちょっと気になった。
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