昔、世界の大衆音楽を調べられている中村とうようさんが自費出版で、オーディブックというのを出されていた。
レコードの頃は問題視されていなかったが、CDというデジタル媒体となり、デジタル化で著作権や版権が生じるという訳のわからない理由で発売を止めなければならなくなったように記憶するけれども、僕も当時、買えるだけ買い揃えており、今も家宝として、大切に所持している。
そのひとつに敗戦後の米軍駐留、そして朝鮮戦争の時期に、アメリカとニッポンの接触から生まれた混血音楽を集めたアルバムがあった。
アメリカ人がニッポンをどのように見ていたのか音楽で知る記録であり、ニッポンの音階とニッポンの言葉に惹かれたアメリカ人たちの素直な気持ちが歌われている。
有名曲「ジャパニーズ・ルンバ」はじめ、「ゴメンナサイ」「サヨナラ」「チョットマッテクダサイ」など日本の挨拶言葉を取り上げた歌の数々は人とのコミニケーションを大切に考える日本人の魅力にアメリカ人達が惹かれた証だろう。
そして、食い扶持を稼ぐために駐留米軍向けに歌った日本人歌手達の和洋折衷の歌は例えばジャズやラテンのリズムに民謡を入れたりして、日本の良さを洋楽を借りて、伝える苦心に満ちた物になっている。
アメリカとニッポンの文化交流がここにあり、その裏側には男と女の泥仕合も繰り返された。
今、主権国家としての改憲論が華やかなりし時、国立公文書館でマッカーサー草案を初展示というニュースを目にした。
ネットでもこんなアーカイブが展示されている。
駐留米軍の押し付けなのか、日本官僚のご機嫌取りだったのか。
歴史認識が過去への冒涜にならぬよう、見守りたい。
- What a Wonderful World : 進駐軍ポップ
- OhmyNews : エキゾチック・ジャパン
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